日本人とビジネス書の関係

ビジネス書は書店の中でも大きな位置を占めるジャンルです。さらに一度ヒット作が出ると似たような類書が多く出版されることでも知られています。そして、日本においては、過去の歴史に教えを学ぶものがあったかと思えば、ハーバード流をはじめとする外国のメソッドを紹介する本も多く登場します。果たして日本の出版界、そして日本人にとってビジネス書とは何なのか。その問いに迫ったものが川上恒雄による 『「ビジネス書」と日本人』(PHP)です。


ビジネス書にも流行がある?

本書では戦後の日本社会の流れを、ビジネス書の出版タイトルやジャンルから読み解こうとします。なによりも前提として、スーツを着て電車に乗って会社へ向かうサラリーマンが生まれたのは戦後になってからです。サラリーマンが電車の中で読むものとして、手軽に読めるビジネス書が発展してきた歴史があります。そのタイトルは、1960年代は、知識や情報の扱い方がコンピューターの登場によって変化し、仕事のやり方が変わる未来論めいたものが多くありました。

その後のブームは?

その後にブームとなったのはどういうものでしょうか。その一つが英語です。日本人は今も昔も英語が苦手な人種ですから、そういう人たちに国際語としての英語の重要さを説く書籍が多く登場しました。

心の時代へ?

さらに実用的な英語ブームが去ると、脳や心にスポットを当てた本も登場するようになります。頭やメンタルの部分に重きを置くことによって、仕事を効率的にこなせるようになるといった本が登場するようになるのです。それは、のちに勉強法といった具体的なメソッドとして提案されます。相手の心を掌握する人材マネジメント法などもそこに含まれるでしょう。ビジネス書を切り口に戦後の日本社会が見えてきます。

    
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