尊敬語の基本と使い方の主なパターン

尊敬語は、相手側または第三者の行為・ものごと・状態などについて、その人物を立てる言葉です。尊敬語を使うことで相手に対して敬意を示すことができます。まずは尊敬語の基本と主な尊敬語のパターンをおさえましょう!


尊敬語の基本

尊敬語は、主に、行為、ものごと、状態を対象に使うことができます。

1. 行為(動詞、動作性の名詞)

いらっしゃる、おっしゃる、なさる、召し上がる
お使いになる、御利用になる、読まれる、始められる
お導き、御出席、(立てるべき人物からの)御説明

「先生は来週海外へいらっしゃるんでしたね。」と言う場合、「先生は来週海外へ行くんでしたね。」と同じ内容ですが、「行く」の代わりに「いらっしゃる」を使うことで、「先生」を立てる(経緯を示す)言い方となります。

このように、「いらっしゃる」は「行為者」に対する敬語として働きます。「先生のお導き」なども、「行為者」を立てる尊敬語となります。

2. ものごとなど(名詞)

お名前、御住所、(立てるべき人物からの)お手紙

3. 状態など(形容詞、形容動詞)

お忙しい、御立派

「お名前」「お忙しい」のように、ものごとや状態を表す言葉にも、尊敬語があります。例えば、「先生のお名前」は「名前」の所有者である「先生」を「立てて(*)」います。また、「先生はお忙しいようですね」は「忙しい」状態にある「先生」を「立てて」います。

「立てる」とは(*)

尊敬語を使う理由は、

「その人物を心から敬って伝える場合」
「その状況でその人物を尊重する伝えるを選ぶ場合」
「その人物に一定の距離を置いて伝えようとする場合」

の理由があります。どのような理由で尊敬語を使うにしても、その人物を言葉の上で高く位置付けて伝えることがなります。

立てられる人物とは

「先生は来週海外へいらっしゃるんでしたね」

と伝える場合、相手は3パターンに分けられます。

1. 「先生」に対して、直接伝える場合
2. 「先生」の家族などに対して、伝える場合
3. 友人などその他の人に対して、伝える場合

があります。よって、尊敬語を使うことによって立てられる人物は、

1. の場合、「話や文章の相手」
2. の場合、「相手側の人物」
3. の場合、「第三者」

となります。以上のように、尊敬語は「相手側または第三者」の行為・ものごと・状態などについて敬意を表します。なお、立てられる人物が状況や文脈から明らかな場合は、言葉で表現せずに、「来週海外へいらっしゃるんでしたね」と言うこともできます。

尊敬語の主なパターン

次に、尊敬語の主なパターンを理解しましょう。

1. 動詞の尊敬語

動詞の尊敬語には、「行く→いらっしゃる」のような変換型と、「お(ご)〜になる」(読む→お読みになる、利用する→御利用になる)のように単語に付け加えるだけで尊敬語として使える一般形があります。

1-1. 変換型の主な具体例

行く・来る・いる→いらっしゃる
言う→おっしゃる
する→なさる
食べる・飲む→召し上がる
くれる→下さる
来る→見える

1-2. 一般形の主な例

〜(ら)れる

参考リンク

「〜(ら)れるの詳しい解説」

お(ご)〜になる

参考リンク

「お(ご)〜になるの詳しい解説」

〜なさる
利用する→利用なさる

*「〜なさる」の形は、サ変動詞(「〜する」の形をした動詞)についてのみ、「する」を「なさる」に変えることができます。

2. 名詞の尊敬語

「お名前」「御住所」のように、「お」または「御」をつけます。ただし、「お」「御」のなじまない語もあります。このほか、「御地(おんち)」「貴信」「玉稿(ぎょっこう)」のように、「御」「貴」「玉」を付けたり、「御高配」「御尊父(様)」「御令室(様)」のように、「御」とともに「高」「尊」「令」などを加えたりして、尊敬語として使うものがありますが、ほとんどは手紙や文章などの書き言葉専用で使います。

3. 形容詞などの尊敬語

形容詞や形容動詞の場合は、「お忙しい」「御立派」のように、「お」または「御」をつけて尊敬語にすることができます。また、「お」「御」のなじまない語でも、「(指が)細くていらっしゃる」「積極的でいらっしゃる」のように、「〜くていらっしゃる」「〜でいらっしゃる」の形で尊敬語にすることができます。

「お」「御」を付けられる語の場合は、「お忙しくていらっしゃる」「御立派でいらっしゃる」のように「お」「御」を付けた上で、「〜くていらっしゃる」「〜でいらっしゃる」の形と併用することができます。

4. 「名詞+だ」に相当する尊敬語

「名詞+だ」に相当する内容を尊敬語で述べる場合は、「先生は努力家でいらっしゃる」のように「名詞+でいらっしゃる」を用います。

次の記事

「よく使う尊敬語の敬語変換まとめ【動詞編】」

前の記事

「敬語の分類が3種類から5種類へ! 敬語の新ルール」

    
コメント