尊敬語「お(ご)〜になる」の使い方と注意点

動詞の尊敬語には、「行く→いらっしゃる」のような変換型と、「お持ちになってください」のように多くの言葉に適用できる「お(ご)〜になる」をを使う場合があります。それでは、尊敬語「お(ご)〜になる」の使い方と注意点について説明します。

「れる」「られる」より敬意が強い

「お(ご)〜になる」は、「れる」「られる」よりも敬意が強くなります。自分との差が大きい場合(相手がお客様、上司など)には、「お(ご)〜になる」を用いるのが敬語のマナーです。

「お(ご)〜になる」の具体例

「書類をお持ちになりましたか」 「ハワイへはいつお発ちになりますか」 「ご自由にお持ちになってください」 「昨日のラジオをお聞きになりましたでしょうか」 「お尋ねになりたいことはどんなことでしょうか」 「会社は、いつおやめになったのですか」

よく利用される「お(ご)〜になる」の言葉一覧

書く→お書きになる 帰る→お帰りになる 知る→お知りになる 送る→お送りになる 始める→お始めになる 調べる→お調べになる 教える→お教えになる 受ける→お受けになる このように「お(ご)〜になる」の形式は、ほとんどの動作で使うことができます。しかし、「お(ご)〜になる」が使えないケースがあります。

「お(ご)〜になる」を使ってはいけない言葉の具体例

「くたばる」「ふざける」などのマイナスな言葉では、基本的に「お(ご)〜になる」の形式を使うことはできません。 ×おくたばりになる ×おとちりになる ×おふざけになる ×おぶっとばしになる また、慣習上「お(ご)」と組み合わせることができない動詞もあります。 死ぬ →×お死にになる →◯お亡くなりになる、亡くなられる 失敗 →×御失敗になる →◯失敗なさる、失敗される 運転 →×御運転になる →◯運転なさる、運転される また、 「見る」「寝る」「来る」「言う」などのように別の言葉で変換できる言葉も「お(ご)〜になる」として使うことはできません。

「お(ご)〜になる」の変換具体例

見る →◯ご覧になる →×お見られましたか 寝る →◯お休みになる →×お寝になる 来る →◯いらっしゃる →×お来になる 言う →◯おっしゃる →×お言いになる 着る →◯お召しになる →×お着になる

「お」「御」の使い分け

一般に、動詞が和語の場合は 読む→お読みになる でかける→おでかけになる のように「お〜になる」となり、漢語サ変動詞の場合は 利用する→御利用になる 出席する→御出席になる のように「ご〜になる」となります。

敬語の対象は人間

敬語で注意したいのは、動作や状態の主体になるのは人間だけです。猫や馬などの動物や、機械に敬語は使いませんよね? 「猫がお歩きになられた」 「ロボットが燃料を召し上がった」 こんな会話聞いたことありません…

「お(ご)〜になる」の仲間たち

ここからは、少し難しい文法の話になるので、流してもらっても構いません。

〜なさる

利用する→利用なさる 「〜なさる」の形は、サ変動詞(「〜する」の形をした動詞)についてのみ、「する」を「なさる」に変えることができます。

ご〜なさる

利用する→御利用なさる 「ご〜なさる」の形は、サ変動詞(「〜する」の形をした動詞)についてのみ、「する」を「なさる」に変えることができ「ご」を付けて作ることができます。ただし、「ご」がなじまない言葉では作ることはできません。

お(ご)〜だ

読む→お読みだ 利用する→御利用だ 「だ」を丁寧語「です」に変えた「お(ご)〜です」の形で使うことが多いです。 「御存じだ(御存じです)」は、「知っている」の尊敬語のためお(ご)〜だのパターンではありません。

お(ご)〜くださる

読む→お読みくださる 指導する→御指導くださる 「お(ご)〜する」は謙譲語Ⅰの形であり、尊敬語として使うのは適切ではありません。例えば、「相手が持っていくか」ということを尋ねる場合、「お持ちしますか」と言うのは不適切で、「お持ちになりますか。」と言うのが適切です。「ご〜される」(「御説明される」「御利用される」など)は、尊敬語の適切な形ではありません。 次の記事「名詞を尊敬語として使う方法」 前の記事「「れる」「られる」では敬語レベルが低い! 相手に応じた敬語を使おう!」