「また電話をかけたい」と思わせる第一印象を作る3つのポイント

信頼関係を築く上で、第一印象はとても大切です。人の印象は一瞬で決まってしまいます。「身だしなみを整える」「遅刻をしない」など、皆さんもさまざまな点を意識しているのではないでしょうか。

電話の世界も同じように第一印象が大切です。最初の3分間で、「次もまた電話をしたい」と思ってもらえるか、「もう二度と電話をしたくない」と思われてしまうのかが決まります。電話では最初の3分間が大切なのです。

最上級クレジットカードのNo.1コンシェルジュである網野麻理さんが16万人の最富裕層と電話をして気づいた「また電話をかけたい」と思わせる第一印象を作る3つのポイントを紹介します、


1. 「3」ルールでお客様を待たせない

1つ目のポイントは、「お客様をお待たせしない」ことです。コールセンターのシステムは、着信と同時に自動で受信できるものを使っていましたが、手動の場合は、3コール以内に電話に出ることを目標にしていました。電話の業界では、よく数字の「3」をルールに使います。電話に出るときは3コール以内。保留にする場合は30秒以内。折り返しお電話をする場合は30分以内。

このように、数字で時間の目安をつくり、お客様をお待たせしないように管理します。電話は、対面と比べて、同じ待ち時間でも長く感じます。お客様の電話を保留にし、調べ物などをしていると、あっという間に時間が経過します。しかしその間、お客様は普段より時間の経過を長く感じる中でお待ちになっているのです。

そのため、一定時間を超えないように、保留が長引いている場合にはアラーム音が鳴る設定になっていました。その音は、周囲のコミュニケーターにもわかるようになっており、席を離れたところで調べ物などをしている場合には、別のコミュニケーターが保留を解除します。

そして、「ただ今お調べするのにお時間がかかっております。このままお待ちいただくか、もしよろしければこちらから折り返しお電話を差し上げるようにいたしましょうか」とご案内し、お客様に安心していただきます。

コールセンター全体で一人ひとりのお客様に向き合うわけです。一人のコミュニケーターがどんなにいい応対をしたとしても、「なかなかつながらない」「いつも待たされる」など、センター全体の品質が低ければ、お客様にリピートしていただけないからです。

2. 「またかけたい」と思わせる名乗り方

2つめのポイントは、「名乗り方」です。最初の名乗りは、企業のイメージを抱かせるとても大切なものなので、コールセンターでは特に重視しています。

初対面の人に、気持ちのいいあいさつをしてもらったら、誰でも好感を持つものです。求められるのは、イメージ力と、そのイメージに合わせた演技力です。声や抑揚を変えることで、さまざまなイメージを演出することができます。たとえば、元気で親しみやすい幼稚園の先生のような印象。クールできびきびとした秘書のような印象。どのような声がどのような印象を与えるか、想像しながら演じます。

網野さんは、落ち着きがあり、信頼感のある、高級なイメージを目指していました。そのため、自分が高級ホテルのコンシェルジュデスクに座っているイメージをしながら名乗っていました。実際いくつかの高級ホテルでコンシェルジュデスクを利用し、研究もしました。言葉遣いやあいさつの仕方、話すスピードや声の高さなど、自分のイメージに合うコンシェルジュをロールモデルにしたのです。

3. お客様の要望を確認するタイミング

3つ目のポイントは、「ご用件の確認」です。お客様が何をしてほしくて電話をかけてこられたのかを確認するのですが、ポイントは、最後ではなく最初に確認する点です。「ご用件の確認」がどれだけ大事なことなのかを思い知ったこんなエピソードがあります。

網野さんの元に、お客様から「明細書が届かないんだけど」というお問い合わせがありました。網野さんは、「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」とすぐに保留にし、明細書を発送した日付とお客様にお送りしたご住所を調べ、ご案内しました。

すると、お客様は「とりあえず、振替の金額だけ教えてほしいんだけど」とおっしゃいました。私は、「明細書が届かない」と言われた言葉に対し、「いつ送ったのか、どこに送っているのか」を調べてほしいというご依頼だと思い込んでいたのですが、お客様のご要望は「振替金額がわからないから教えてほしい」ということだったのです。「明細書が届かないので」という言葉の後には、

「振替金額を教えてほしい」
「もう一度送ってほしい」
「いつ発送したのか知りたい」
「住所の変更が正しく完了しているか心配だ」
「同封されているニュースレターを見たい」

などといった言葉がいくつも隠されています。これは、網野さんがご案内の前にお客様のご用件を確認していれば、未然に防げた失敗です。たとえば、理想のやりとりは次のとおりです。

お客様「明細書が届かないんだけど」
オペレーター「ご迷惑をおかけして申し訳ございません。再送することも可能ですが、先にお振り替えの金額をご案内いたしましょうか」

このように、自分の思い込みで話を進めるのではなく、まずはお客様とゴールを一致させるために確認をしながら進めると、間違いが防げます。お客様がおっしゃった言葉の後ろには、どのようなニーズが隠れているか想像した上で、最初に確認するのです。

今回紹介した3つのポイントは、対面コミュニケーションでも利用できます。「また電話をかけたい」と思わせる第一印象を作る3つのポイントを意識して信頼関係を築きましょう。網野麻理さんの著書「期待以上に応える技術」では、これ以外にも期待を超えるサービスの具体的な技術を知ることが紹介されています。

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