「集中力を鍛える」はウソ! 注意をうまく配分することが大切!

集中力があるほうがいいとみなさん思いますよね? しかし、集中力よりも注意をうまく分散し配分する能力のほうが大切なのです。その理由を紹介しましょう。


■集中力は必要ない

「うちの子供は集中力がなくて…」

と嘆く父兄の声をよく耳にします。しかし、ご安心ください。そもそも動物にとって集中力なんて必要ないのです。注意をひとつのことに集中させること自体、動物にとっては非常に危険な行為。たとえば、サバンナにいる動物が目の前にいる小動物に注意を集中してしまったら、あっという間に背後から天敵の肉食獣に喰われてしまいます。人間も、運転中、目の前の車にだけ集中したら、歩行者の飛び出しに気づかず事故を起こしてしまうことでしょう。また、疲労の観点からも、集中することは、脳の1カ所の部位だけを酷使することになりますから、脳の疲労を起こしやすい状況を作ります。

■注意をうまく分散し配分する能力を鍛えよう

実は、本当に鍛えるべきは、集中力ではなく、注意をうまく分散し配分する能力なのです。「注意をうまく配分する」能力が高い人ほど、まわりの情報を統括的に把握し、速やかにかつ的確に反応できます。ゆえに、思考においても行動においても無駄がなく、結果として疲れにくい生活行動をとることができるのです。

■注意をうまく配分する能力を高めるには?

注意をうまく配分するには、複数の作業を同時に行うワーキングメモリの能力が必要です。たとえば、一方で作業を着実にこなしながら、一方でもっとベターな方法はないか思考する。あるいは、物を探すとき、一方で隅々に視線を動かしながら一方でそれがどこにありそうかを考える。注意をうまく配分しながら同時に2つのことを行うことで作業が効率化し、結果として疲れを防いでくれます。ゆえに、脳を鍛えるには、日常生活において同時に複数の作業をする習慣を心がけましょう。

たとえば、ラジオを聴きながら本を読むのもひとつです。真剣に鍛えるなら、このページのなかに「に」の文字がいくつあるか数えながら内容も理解する「かな拾いテスト」のようなトレーニングも効果的です。また、車の運転も、眼前の情報を捉え状況を適宜判断しながら手と足を制御するという点で、ワーキングメモリを鍛える練習になっています。こうした能力を高めることは、脳を疲れさせないだけでなく、実は、認知症の予防、事故防止にも有効なのです。

そして、なにより日頃の生活の中でこの能力を鍛える最もよい方法は、多くの人とコミュニケーションをとることです。人との会話は、最もワーキングメモリを活用します。たとえば、友達と話をしているとき、あなたは相手の話を聞きながら、その話題に関して次に何を話すか考え、また、自分の過去のエピソード記憶などを無意識に検索していることでしょう。人との会話を楽しんでいるときこそ、実は注意をうまく分散・配分させ、同時に複数の作業を脳の中で行っているのです。

ワーキングメモリをうまく使えるようになれば、「今日、すごい出来事があってさ…」と相手が話せば、「へ~、すごいね!そういえば、私も…」と、頭の中でイメージが広がり、過去の記憶も活性化され会話がどんどん弾むことになります。

集中力を鍛えるのではなく注意をうまく配分する能力を鍛えましょう。

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