交渉上手は数字上手!? さりげなく数字の基準を設定して誘導しよう。

交渉が上手な人はさりげなく数字の基準を設定し、相手をうまく誘導しています。あなたも知らず知らずのうちに支払う金額を誘導されているかもしれません。交渉のプロが活用する数字テクニックを紹介します。


■人は数字に引っ張られる

ある基準を持ち出されると、人はそれに引っ張られてしまいます。判断に影響を与える条件づけを「アンカリング」と言います。

「アンカリング」として使われる数字は、判断の際に使われる数字と同種でなくても効果があるとされています。ドイツでおこなわれた実験では、プロの裁判官が、懲役の長さを決める前に、サイコロを振ったところ、サイコロで出た数字の目が大きいほうが、判断した懲役期間も長くなったというものがあります。「年数」と「サイコロの目」という異なる種類の数字でも影響を受けるのです。

無関係な数字にさえも、私たちの判断は引っ張られてしまうということです。心理戦において、目的が数字による解決の場合、交渉中に相手に見せる数値には気をつけなければなりません。

■交渉場所の数字にも注意

100万円でまとめたい案件の交渉場所をカフェにする場合、価格帯にも注意すべきです。300、400、500円という価格帯のお店の場合、100万円が低く見えてしまうリスクがあります。相手にメニューを見せずに、こちらでコーヒーを頼んであげるとか、100万円を、1,000,000円のように、ゼロを増やしてケタが違うという印象づけをしなければならないでしょう。心理戦でこちらから数字を出すときには、誘導したい方向の数字を出したほうが有効です。

■最初から希望数字を出さない

法律相談を受けていると、一般の人が、200万円の慰謝料を取ろうとして請求書を送る場合、そのまま200万円の請求をすることが多いです。そうすると、これを受け取った相手は、200万円が基準になり、ここから減額できるかどうか、という視点になります。心理戦に長けた法律家が送る場合には、通常、200万円に上乗せして送るでしょう。いくらの請求をしても郵便費用は変わりません。

相手の心理に刻む数字の基準はどこに置くのかよく考えましょう。数字の出し方、並べ方は特に意識し、狙いの方向にさりげなく誘導しましょう。数字の基準は、こちら側でコントロールするのが交渉上手の道です。

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