なぜ、会議で議論が上滑りするのか

職場の会議や、地域の役員会などで話し合いを持っても、決まりきったような結論しか出てこないということはありませんか。自分自身の考えを深め、新しい発想が生まれる話し合いをするにはどうしたらよいのでしょうか。


言葉にひきずられない

「情報化社会」や「エコロジー」など、よく使われる言葉なのに、意味が漠然としているものがあります。議論に参加しているそれぞれの人が、抽象的な意味でなんとなく使っている限り、話し合いは内容があいまいなまま、いくらでも続いていきます。よく使われる言葉や決まり文句を多用した話し合いは、安心できるものでもあるのです。なぜなら、他の人たちもほとんど同じ考えであり、話し合いのなかでも調子をあわせていれば、会話はスムーズに行われるからです。

しかし、そのように話を進めることは、複数の側面に目を向けることの妨げになります。抽象的な言葉を別の言葉で表すこと、具体的にどのようなことを指しているのかなどを明らかにする必要があります。

自分とのかかわり

漠然とした言葉を使うとき、自分の立場からその言葉をとらえましょう。職業、年齢、家族構成や周りの環境などによって、同じ言葉でもとらえ方が違ってくるはずです。

自分とのかかわりから抽象的な内容を考えることで、その言葉のイメージだけが先行してしまうのを避けることができます。

知ること、考えること

知ることと、考えることは違います。

何か議論をしているとき、自分で考えているとき、誰しも「自分は知らないから、分からないのだと思う」と感じることがあります。正解がどこかにあるので、自分の勉強不足でその正解に出会っていないのではないかと考えます。

しかし、いつも、問いに答えてくれる正解があるとは限らないのです。正解を求めることにしばられると、ものごとには多様な側面があること、見る視点によって多様な側面があることを見落とすことにつながります。

常識をずらす

誰もが使っている言葉をもう一度、自分なりにとらえてみませんか。

その言葉に勝手にイメージを与えてしまっていませんか。社会で多く使われている言葉とそのイメージに乗り遅れてはいけないと焦っていませんか。

常識やステレオタイプをずらしてみることが必要です。これまで見えていなかった問題をとらえることができるのです。

常識にしばられ、ものごとをひとつの側面からとらえていると、いつまでたっても自分の頭で考えることはできません。自分自身の視点からものごとを多角的に捉えてることが必要です。自分の頭で考える人たちが集まって話し合うことで、さらに深い議論がうまれるのではないでしょうか。

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