お客を怒らせるNGワード(その2)

お客に腰を低くして応対するのは接客業の基本中の基本。とは言え、店員も人間ですから、疲れていたり、お客の態度によっては、その基本を忘れてしまったり、常に意識できているとは限りません。でも、こういうときこそ、不意に出る言葉でお客を激怒させてしまう恐れが高くなるものです。特に気をつけないといけないのが、お客を小バカにしてしまう言い方です。


「ですからー、もう一度言いますがー」

「ですからー、もう一度言いますがー」。これほどお客の怒りを爆発させる最強ワードはないかもしれません。状況がこじれるほど飛び出やすい言葉ですが、その裏には「さっき説明したじゃん!めんどくさいな。何度も同じことを言わせるなよ!」という心理が働いているはずです。「ワンランク上の『接客交渉術』」の著者・宮田寿志さんによると、こういうケースは、相手のお客がお年寄りであることが多いそうです。若い店員とは話の波長が合いづらいということもあるのでしょう。しかし、お年寄りに向かってきつい言葉で話す若い店員とは、はたから見ていて決して気持ちのいいものではありません。

周りのお客も敵に回すことに

宮田さんは以前、同じような状況をとあるドラッグストアで見かけた折、お年寄りのお客に向かって「チッ」と舌打ちをするのを目撃したといいます。お客はそれに気づかなかったようですが、宮田さんを含め周りのお客に見られていた可能性は十分考えられます。宮田さんは自分の順番が来たとき、思わずその店員に直に問題を指摘したそうです。結果として、店員のそうした不用意な態度は目の前のお客のみならず、店内にいた他のお客を巻き込むことになり、店そのものの悪評が広がる事になりかねません。

「先ほどもご説明しましたが」

他にもお客を小バカにする類の言葉には「先ほどもご説明したはずですが…」というのがあります。「何度も説明しているのに理解しないあなたが悪い」という姿勢が見え隠れする言い方です。ここは、「先ほどご説明させていただいたことと同じなのですが…」「繰り返しになって申し訳ないのですが…」と、わずかな言い換えで相手の怒りはだいぶ和らぐと宮田さんは言っています。このように、宮田さんは「接客の目的はお客さまに非を認めさせることではない」ことを肝に銘じるべきだと強調しています。

参考書籍:宮田寿志著「ワンランク上の『接客交渉術』」(ぱる出版刊)

筆者プロフィール
足立謙二 時事通信記者を経てフリーライターに。雑誌「昭和40年男」、ねとらぼなどエンタメ系サイトなどでサブカル、アニメ、特撮などを中心に執筆。Twitterアカウントは@adaken

    
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