ディズニーも真似できなかった、日本人にしかできない「放っておく気づかい」

相手を思いやり、気持ちをくみ取り、さりげない行動で示す「気づかい」。東京オリンピックのプレゼンで「おもてなし」の精神が話題を呼びましたが、「気づかい」というのは日本人が得意とする分野です。

「気づかい」というと、相手が何か言う前に相手の欲しいものを差し出したり、積極的に話しかけたり様々な世話を焼くイメージがありますが、「放っておく気づかい」というのも重要だということはご存知でしょうか。今回はこの「放っておく気づかい」について、上田比呂志著『ディズニーと三越で学んできた日本人にしか「出来ない気づかい」の習慣』から紹介します。


●引きどころが重要

気づかいで大切なのは、「ちょうどいい具合」です。行き過ぎた気づかいや重たい気づかいというのは、かえって相手の負担になってしまうのです。本当に気づかいが出来る人は、引きどころも知っています。

たとえば、日本には無数の旅館が存在していますが、その中でも特に評価の高い旅館というのは、この辺りが実に上手です。チェックインを済ませ、世間話なんかをしながら部屋まで案内してくれますが、そのあとはそっと放っておいてくれます。サイズ別、色別に浴衣や足袋が用意してあり、備えも万全なのでこちらからあえて呼ぶ必要もありません。付かず離れず絶妙な距離感でお客様をリラックスさせてくれるのです。

来て欲しい時以外には来ない、手を出してほしい時以外には手を出さない。この絶妙な感覚です。

●相手を気づかわせない

放っておくというのは、気をつかわない、無関心とは違います。気づかっているからこそ、放っておく。相手が気遣っているということが表に出さないこともポイントです。だから相手も余計な気づかいをしなくて済みます。

若手時代、三越の日本橋本店で働いていた上田さんは特選売り場という高級ブランド品の販売を担当していたことがありました。特選売り場というのは、何十万円という金額をポンと出せるようないわゆるVIPの方が多いのです。そういうお客様には、どんどん話しかける接客というよりも、何も話しかけず笑顔で立っているようにしていたといいます。

というのも、そうしたお客様というのはあらゆるおもてなしを受けてきていて、商品に関する知識については店員よりもよっぽど詳しいからです。
VIPのお客様だからと変に気合を入れて商品の説明をしたり、必要もないのにかまったりというのはこちらの都合であり、お客様は求めていません。
余計なことをしないようにそっと控えておいて、相手が何か言いたそうな素振りを見せたら声をかける。これだけで充分相手には伝わります。

他にも、会社でコンを詰めて残業している人が板としたら、その人にはあえて声をかけないというのも放っておく気づかいです。「がんばって」と一言だけ。あるいは無言でもいいのでチョコレートやお茶などをそっと置いてあげる。それだけでも相手は「見てくれてるんだなぁ」と思ってくれます。

日本人ならではの細やかな気づかいを今日から実践してみてはいかがでしょうか。

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