ヒトラーに学ぶ独裁者のスピーチ術

独裁者として有名なヒトラー。そんなヒトラーが独裁者に登りつめることができたのは、ヒトラーがスピーチの天才だったからです。今回は、ヒトラーのスピーチ術について紹介します。


■ヒトラーはスピーチの天才

ヒトラーは、人類の歴史上、スピーチの天才と言っても過言ではありません。ヒトラーの最大の武器は「言葉」であり「演説」だったのです。ヒトラーは、書き言葉ではなく、演説こそが、世の中を動かすものだと考えていたのです。

■スピーチの相手を考える

ヒトラーはスピーチの相手をきちんと分析していました。大衆は愚鈍だからこそ、同じ言葉を繰り返すのがヒトラーのスピーチの特徴です。演説などの宣伝活動は、学識あるインテリ相手ではなく、教養の低い大衆に対して行うべきであることを何度もヒトラーは強調しています。

大衆の受容能力は非常に限られており、理解力は小さいが、そのかわりに忘却力は大きいとヒトラーは分析しました。この分析から効果的な宣伝は、

重点をうんと制限して、スローガンのように利用し、その言葉によって、目的としたものが最後の一人にまで思い浮かべることができるように継続的に行なわれなければならない。人々がこの原則を犠牲にして、あれもこれも取り入れようとするとすぐさま効果は散漫になる。

■演説の時間や場所にも気を配る

ヒトラーは、演説の時間や場所にも気を配っていました。特に、夕方が一般的に人間の心理的バリアが一番弱まる時間でした。次に、人は周囲に大勢の人がいて、その熱気を感じると、自分の心も動きやすくなります。

ヒトラーは、演説の演出や喋り方も場所によって変えていたのです。狭い限定された場所では短く歯切れのいい演説をしましたが、野外などの大規模な集会では演説の内容よりも会場全体の雰囲気を盛り上げる演出にカを入れました。

ヒトラーは演壇についても、なかなか喋ろうとしません。会場が静まるのを辛抱強く辛抱強く待っているのです。なぜなら、話をはじめるタイミングが重要だからです。聴衆が本当に聴こうという気持ちになるまで待ち続けるのです。

■具体的に語らない

あえて耳ざわりのいいことを言わないヒトラーの演説の特徴に

「あまり具体的な政策を語らない 」

があります。具体的に公表することによって違う考えを持った支持者を失望させることを恐れたのです。そのかわりに、

  1. 数字の多用
  2. 最上級表現及び極端な形容詞の多用
  3. 同じ意味の言葉を、表現を変えて繰り返す
  4. 二者択一を迫る

を多用し、具体的な言及を避けました。ヒトラーは、具体的なことを何ひとつ言わないで、国民にパラ色のドイツの未来を夢見させることができる、ある種の天才だったのです。

■独裁者になるためのスピーチ11力条

ヒトラーのような独裁者になるためのスピーチにはポイントがあります。

  1. 何よりも本人が「熱」をもて
  2. 自分の政策を心に残るワンフレーズで表現し、それを繰り返せ
  3. 国を欠落した主人公にしたてあげ、それを救う白馬の騎士を演じろ
  4. 具体的な政策は語らず大衆に夢を見させろ
  5. かならず敵をつくれ。その敵をできるだけ巨大化せよ
  6. 2つのストーリーを交錯させ錯覚させよ
  7. 聴衆が心の中で思っていることを話せ!
  8. 聴衆のブライドをくすぐれ
  9. 目の前にいる人間の利益になることを話せ
  10. 強い権力者にはへつらいこびよ、用がなくなったら捨てよ
  11. 自分に風が吹いているあいだに、なるべく権限を奪え

ヒトラーのスピーチには学ぶことがたくさんあります。カリスマのスピーチと独裁者のスピーチには共通点があるからです。独裁者になる必要はありませんが、スピーチの参考にしてみてはいかがでしょうか?

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