定着率がアップする昇給術とは?

これまで社員が辞めたくなる理由と対策について触れてきましたが、意外に感じた方も少なくないのでは?そう、おカネ、つまり給料の話が一切出てきていません。不景気が長く続いた影響もあるのか、最近の若年層は給料に対してそれほど執着がないということなのでしょうか。とは言え、社員のモチベーションを上げるのに賃金は重要な手段のはず。そのあたりの関係を考えてみましょう。


やはり「できるならたくさん欲しい」

社員定着率96%を実現したリハプライム代表取締役の小池修さんは、「業界平均を大幅に下回っていなければ、これが退職 理由の決定打になることはない」といいます。一方で「給料が社員にとって大きな関心事であることは間違いありません」とも。やはり「できることならたくさん欲しい」というのが多くの社員の本音のようです。

社員の士気を上げるインセンティブ制度

そこで小池さんの会社では、「(賃上げが)できる方法」「社員と会社が Win-Win になる方法」を考えるとのこと。その1つがインセンティブ制度。主に訪問看護ステーションの社員を対象に、基準となる訪問件数を超えた分については報奨金を出すという仕組みです。
これにより、「がんばってもがんばらなくても給料が同じなら、がんばらないほうがいい」というマイナス発想の社員がいなくなりました。代わって「がんばり甲斐があるぞ。家族のためにがんばって稼ぐぞ!」という意欲的な社員が増えたというのです。

グループ業務には山分けインセンティブ

一方、グループ単位で業務にあたるデイサービスの仕事では、同じインセンティブ制度を導入するのは難しい。そこで小池さんが考えたのはデイサービスの施設全体に対してがんばり度を評価するインセンティブ制度です。月ごとの売上目標を超えたら、施設全体に対してインセンティブを与え、社員全員で山分けするという仕組みです。目標を400万円に設定した場合、450万円の売上を達成できれば、50万円分を全員に分配するわけです。

「こうすれば希望を実現できる」という姿勢

ゲーム感覚で仕事に取り組んでいくことで、その成果がダイレクトに自分に返ってくるこうしたやり方は、「自分の仕事」という自覚を芽生えさせたのです。これにより、離職する社員が減りました。小池さんは、社員の要望に「最初から無理というのではなく、『こうすれば希望を実現できる』という姿勢を見せること、そしてそれを実行した社員には希望通りに対応することが重要」と言っています。それは、社員の意識にプラスになるだけでなく、会社全体の利益に直結するのは言うまでもないでしょう。

参考書籍:小池修著「日本一社員が辞めない会社」(ぱる出版刊)

筆者プロフィール
足立謙二 時事通信記者を経てフリーライターに。雑誌「昭和40年男」、ねとらぼなどエンタメ系サイトなどでサブカル、アニメ、特撮などを中心に執筆。Twitterアカウントは@adaken

    
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