社員定着率を上げる理念とは

社員の定着率を上げるには待遇改善が大前提というのが、社員定着率96%を実現したリハプライム代表取締役の小池修さんの持論。しかし、定着率を100%に近づけていくためにはそれだけでは不十分だと、小池さんは言います。重要なのは4つのステップだと言うのですが、一体どんなことなのでしょうか。

社員が辞めないための「オセロの四隅」

小池さんが、「オセロの四隅」と呼ぶ④つのステップは以下の通りです。 ①会社の「理念」を確立する(会社の「目的」の共有) ②リーダーが理念を「体現」する ③社員の味方となり、「信頼」関係を構築する ④社員の「(やる気)支援」をする ここでは①の、理念を確立することについて見てみましょう。

確固たる「理念」が経営を安定させる

まず①の会社の「理念」。言い換えれば、会社が望む「社員の働く目的」です。これがぼやけてしまうと、社員たちはただ日々のルーチン作業を繰り返すばかりとなり、新たなひらめきなど会社が成長するタネは生まれてきません。社員の士気は早々に低下し、次々と辞めていってしまうかもしれません。 小池さんの会社の経営理念は「敬護」。人生の大先輩である高齢者の方々を、介助して護るという従来の「介護」をするのではなく、敬って護る「敬護」をしたいという、創業当時の小池さんの思いが込められています。こうして理念を明確にしたことで、経営の軸はブレることがなくなったといいます。

「理念」がないと士気は低下するばかり

では、理念の確立が社員の定着にどうつながるのか。理念がはっきりしない職場では、経営者も上司もその日の気分や相手によって言うことがコロコロ変わってしまう傾向があるといいます。そうなると職場全体に理不尽な空気が広がり、社員の士気は自ずと低下。会社を辞めないまでも、上司の顔色をうかがってばかりの消極的な雰囲気になってしまう。そうならないためには、経営トップがはっきりした理念を掲げ、それに沿った社員の行動指針が明確になっていることが必要となるのです。

「経営理念」は飾りじゃない

よく、社長室の壁に経営理念を書いた額が飾っている会社がありますが、それだけでは意味がありません。全社員に説明し、浸透させ、理解・共感してもらうことが大事なのです。理念は会社そのものであり、根幹なので、「経営理念に共感できない社員は辞めていくかもしれませんが、それは強い会社を創るための『好転反応』。こればかりは本人のためにも無理に引き留めてはかわいそうです」と小池さんは指摘しています。 参考書籍:小池修著「日本一社員が辞めない会社」(ぱる出版刊) 筆者プロフィール 足立謙二 時事通信記者を経てフリーライターに。雑誌「昭和40年男」、ねとらぼなどエンタメ系サイトなどでサブカル、アニメ、特撮などを中心に執筆。Twitterアカウントは@adaken