理念を浸透させる一つの方法

「理念」は掲げているだけでは意味はなく、社員に浸透させることで初めて生きてくると、社員定着率96%を実現したリハプライム代表取締役の小池修さんは言います。では、理念を浸透させるのに不可欠なこととは何か。小池さんは「リーダー自らが率先して体現すること」が不可欠だと明言しています。


体現することが浸透の早道

社員はリーダーが会議の場などで発言している意見よりも、実際のリーダーの行動に注目します。その行動が会社の理念と合致していれば、そのまま社員たちの間に浸透しやすくなるのです。
言葉遣い一つとっても言えることです。小池さんの会社がかかげる理念は利用者を敬いつつ護り支援する「敬護」。例えば、シニアの人の歩行サポートをする時、「おいっちに、おいっちに」などと掛け声をしてしまうと、子供相手に対応しているようで、“敬護”とはいえません。創業当時そのことに気づいた小池さんは、相手を敬う気持ちに立ち、「ハイ、ハイ」と声がけすることにしたのです。

トップ自ら実践を

社長やリーダー自らこうした行動を示すことで、社員は自然とついてくると小池さんは言います。社員がやめたくなる理由の上位に「嫌な上司がいる」という回答が上がっていましたが、経営理念をきちんと据えて、トップ自ら実践して見せれば、その理由はきれいサッパリかき消されるはずです。

「信用」より「信頼」されよ

そして、当然のことですがリーダーは「信頼」されることが不可欠です。小池さんは「信用」ではなく「信頼」が大事だと強調しています。「信頼」とは、ある一定条件のもとに信じる「信用」を超越して無条件に信じられることです。リーダーが経営理念に則ったことをいくら口にしたとしても、行動と不一致しているようでは何にもなりません。逆に信用を失い、組織そのものがガタガタになっていまいかねません。

「言うことを聞かない」のは信頼されてない証

「あいつは何度言っても言うことを聞かない」。そう思う社員がいるということは、自分がリーダーとして信頼されていないからだと、小池さんは指摘します。言葉は関係性に基づいて相手に届くもの。信頼関係のない、嫌なリーダーだから言うことを聞きたくない。そう思われていると自覚しないと、部下は辞めていくばかりだというわけです。

社員の「味方になる」

部下との信頼関係を構築するには、先の通り経営理念を体現すること。また、部下を積極的にほめる、感謝する、共感するなど様々な方法があります。いずれにしても、社員が正しいかどうかを判定するのではなく、社員の「味方になる」こと。それが社員の定着率アップになることだと、小池さんは強調しています。

参考書籍:小池修著「日本一社員が辞めない会社」(ぱる出版刊)

筆者プロフィール
足立謙二 時事通信記者を経てフリーライターに。雑誌「昭和40年男」、ねとらぼなどエンタメ系サイトなどでサブカル、アニメ、特撮などを中心に執筆。Twitterアカウントは@adaken

    
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