リーダーの「体現」が理念を浸透させる

理念とは会社そのものだと強調する、社員定着率96%を達成したリハプライム代表取締役の小池修さん。さらに理念が看板倒れで終わっては身も蓋もありません。リーダー自ら率先して理念を体現し、社員全員に浸透させていくことが肝心です。そのために何をするべきか。小池さんの会社が実践している方法に迫ってみましょう。

「理念浸透部」を創ってしまった

小池さんの会社には「理念浸透部」なる部署があります。おそらく日本唯一の事例でしょう。「理念浸透部」は一般的には管理部に相当し、人事課、経理課、さらに「おもてなし営業事務課」が配置されています。この構成は、理念を浸透させるためになることを具体的にアピールするフォーメーションだそうです。しかし、単なるカタチではなく、理念の実行度合いを人事評価に直結させるなど、極めて実体的な機能を備えているといいます。

会社の価値を生む「おもてなし営業事務課」

なかでも気になるのが「おもてなし営業事務課」ですね。ここは会社の来訪者へのウェルカム対応、全社員のバースデイサプライズ、この会社のキモのひとつである「社長講話」の段取りなどが主な業務。一般的な営業とは違い、会社の収益に直接つながらないセクションではあるものの、会社全体の価値を生み出す、会社の核と言えるでしょう。小池さんは、この部署を創ったことで、「社長は本気で理念を浸透させようとしている」ということを社員に伝え、社員の側もそれを受け入れる態勢ができてきたという手応えを感じると語っています。

継続的体現が浸透を加速する

部下というのは想像以上にリーダーのことをよく見ていると、小池さんは指摘しています。リーダーが普段から自分の理念を口に出したり、体現していると、いつしか部下もそれを真似して、社内全体に浸透するといいます。逆に、理念を体現することなく口にも出していないと、いくらリーダーの頭のなかに理想を思い浮かべていても部下たちに浸透するはずはありません。一朝一夕で染み渡るものではありませんが、リーダーが日々体現し続けていけば、思いは必ず浸透していくものだと、小池さんは自らの体験を元に語っているのです。 参考書籍:小池修著「日本一社員が辞めない会社」(ぱる出版刊) 筆者プロフィール 足立謙二 時事通信記者を経てフリーライターに。雑誌「昭和40年男」、ねとらぼなどエンタメ系サイトなどでサブカル、アニメ、特撮などを中心に執筆。Twitterアカウントは@adaken