職場にあふれる「おじさんの苦悩 vs 若者の絶望」

なぜ、上司と部下の間にはミゾができてしまうのか?

世のおじさん上司たちは、なんとか部下を一人前に育てようとするが、なかなか思うように育ってくれない部下たちに苦悩している。一方で、世の若者たちは、上司たちがちゃんと仕事を教えてくれない、話を聞いてくれないと絶望している。どちらかが、ウソを言っているわけではない。どちらの言い分も間違ってはいないのだ。しかし、ここに縦社会中心の日本の会社が抱える問題がある。すれ違う上司と部下の関係が、生産性を著しく低下させる要因にもなっているのである。

「その原因のひとつが、世代間のギャップだ」と『上司の常識は、部下にとって非常識』の著者である榎本博明氏は言う。生まれ育った環境の違いは、仕事への考え方、取り組み方にも影響を与える。

「仕事は見て覚えろ」
「上司は絶対だ」

という社会の中で生きてきたおじさん世代と、手取り足取りの教育で、

「教えてもらって当たりまえ」
「親も先生も友達感覚」

という環境の中で育ってきた若者世代では、そもそも基準が違うのだ。おじさんも、若者も、それぞれの持つ基準に寄り添っていかなければ、会社の人間関係はうまくいくはずがない。ここでは、どのような世代間のギャップが問題になっているか、いくつか紹介する。


■タテマエで自分を縛る世代とストレートに表現する世代

上司と部下のコミュニケーションの決定的な違いのひとつに「ホンネとタテマエ」がある。上司世代は、部下のストレートで遠慮のないもの言いに不満を抱き、部下世代は上司のタテマエばかりでホンネが見えないもの言いに不満がある。

何でもハッキリ自己主張するべき、思うことは率直に言うべきという教育を受けた若者と、やたらとホンネを言うことは失礼だ、相手の立場に配慮して言葉にすべきだという環境で育ったおじさんではぶつかるのも当然なのかもしれない。

お互いホンネとホンネでぶつかり合えば分かり合えるかといったら、そんなことはない。世の中にはマンガのようにはいかないことが多い。上司は部下に、特にビジネスの世界ではホンネとタテマエをうまく使い分けることが人間関係の潤滑油として果たしてきた役割に目を向けさせることが必要なのかもしれない。そういう意味では、上司がタテマエだけでなく、時にホンネを部下に見せることで、その効用を教えることができるだろう。

■ハングリーな世代とハングリー精神の乏しい世代

出世してたくさん稼ぐために必死で働いてきた上司世代は、収入はほどほどでいい、忙しく働くのはイヤだと考える若手世代をふがいなく思う。しかし、若手は組織のために一生懸命働いてきた人たちがリストラされている姿をニュースなどで見聞きしてきた世代だ。「がんばれば報われる」というのは信じられない世代でもある。そこそこの収入でも仕事もプライベートを両立させて、人生を楽しみたいと思うのもうなずける。仕事への姿勢にも食い違いが起こるのも無理はない。

人間は育った時代の価値観に大きな影響を受ける。お互いの人生観・価値観の違いを踏まえておかないと無用なイライラや対立感情が生まれてしまう。これは、どちらが正しいというものではない。お互いに相手の価値観を認めた上で、時にお互いが譲歩することで関係がこじれることもない。

「上司の常識は、部下にとって非常識」

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