アイデアを出せる人が心掛けている、ちょっとした習慣

同じ話題について話しているのに、アイデアを「出せる人」と全く「出せない人」がいます。この違いは、いったいどこにあるのでしょうか。アイデアが出せる人は、実は普通の人と同じような生活を送っています。ただちょっとした習慣を身につけているために、他の人と同じものを見ても、アイデアが出る量が違うのです。そのちょっとした習慣とは一体何なのでしょうか?


同じものを見ても、見え方は全く違う

人の目に見えているものは、みんな同じもののように思えてまったく違います。これは視力の問題ではなくて、目に入る情報をどのように処理しているかで違ってくるからです。目に入った情報は、脳の中でこれまで見た似たようなものとの照合作業が行われて、初めて「見えた」と判断されているそうです。

薄暗い道で、ふわっと動いたポリ袋が、猫に見えた、なんてことはありませんか?
 
これは、目に入ったものを、以前の情報と照合しているためだと言われています。見たものを常に客観的に判断しているわけではないということですね。たとえば「都会の道路を眺めた時に何が見えるか。見えるだけ言ってみて」と問います。

ある人は、クルマと答えました。
ある人はトラックと答えました。
また電柱、道路標識、信号、看板、学生、ベビーカーなど、多数のものが道路上に見えていることがわかります。

では一歩進んで、クルマが好きな人に対して、「もっと詳しく言ってみて」と投げかけたところ、通っているクルマの車種をすべて答えられる人がいました。あれはトヨタの○○、ホンダの○○の何年型、など細かく名前が出てくるのです。また、洋服が好きな人だと、歩いている人の着ている服のブランドがわかりますし、土木に詳しい人だとアスファルトのタイプやガードレールの種類がわかることもありました。景色の中に存在するのは、形がある具体的なものだけなのに、見ている人の目には情報認識の違いが、ものすごくたくさんある、ということです。

アイデアのきっかけは「気づく」こと

これは、目の付け所によって見えるものが違う、ということです。つまり、「目線」を変えると別のものが見えてくるのです。企画の元にアイデアがあるとしたら、アイデアのきっかけは「気づく」ことだと思います。そして、「気づく」ためのコツが「目線」を変えることなのです。アイデアをたくさん出すことができる人は、この「目線を変える」習慣が身についているのです。

たとえば、『ブラタモリ』でコンセプトのひとつにした、「普段見ているはずなのに気づかないもの」を探していくというのも、この「目線」がポイントです。番組で、原宿の竹下通りの裏にある「ブラームスの小径」という小さい通りを歩いた時のことです。小径の片側に不自然な石垣になっているところがありました。このあたりの道の脇には、普通はお店や建物があるのですが、この部分だけ石垣の壁のようになっているのです。

実はこれ、この道が川だった時の護岸の石垣だったのです。川にふたをして道にした時に、この石垣だけはそのままにしたため、小道の脇に古い石を積み上た石垣が残っているのです。日常の中では、このような目線で道を見たことがない人がほとんどだと思いますが、一度この「目線」を知ると、すぐにほかの道で似たようなものを見た時に、

「これはもしかして……」

と連想がはたらくようになります。

アイデアを探すのが楽しくなる

一度このような目線を持つと、同様の例を探すのが楽しみになります。実際に、番組を観た方々からは、「道を見て歩く時に、気づくと何か過去の『痕跡』を探しています」というメールをたくさんいただきました。お勉強的な知識とは違って、疑問から出発して連鎖的に知っていく知識というのは、身体に染み込んでいきます。そこには、「発見」があるからです。

目線を変えることによる「発見」の楽しさを知ると、日常のすべてのことに面白さを見いだすことができるはずなのです。

「時代をつかむ!ブラブラ仕事術(尾関憲一)」の詳細を調べる

    
コメント