AKB48企画の原点。秋元康の企画の考え方とは

国民的アイドルであるAKB48。元々の企画は秋元康が発案しました。今回は、AKB48企画の原点と秋元康の企画の考え方を紹介します。


■AKB48企画の原点

AKB48プロデューサーである秋元康さんはこう述べています。

AKB48は、もっともエネルギーのあふれる街、秋葉原から新たなアイドルを誕生させようという試みだ。コンセプトは、「会いに行けるアイドル」。オーディションによって選ばれたメンバーが、専用劇場の「AKB48劇場」で毎日ステージを行ないながら、全国区デビューを目指すというものである。もともとの発想は、劇団とか、ロックグループとか、バンドとかの話を聞いた「記憶」からはじまった。彼らによると、

「いやあ、はじめは客が入らなくて、20人ぐらいだったんですよ」

必ずと言っていいほど、そんな話になるのだ。ところが僕はテレビ出身なので、手掛けた番組が放送されたら、いきなり100万人単位から考えがはじまる。全国にネットされた番組の視聴率の1パーセントが、130万人という世界だからだ。しかし、テレビの視聴者はいわば通りすがりの人々だが、何かを観たり聴いたりすることだけを目的に、その場所に行くという人が少しずつ増えていくのはすごいことだなと思ったのだ。たぶん、これからの多チャンネル時代、通りすがりの人だけを待っていても、観るものがいっぱいあるから、同じことをやっていては勝てるはずがない。だとしたら、定点でやろう。立ち止まって、そこだけで観られるようにしようと考えたのだ。

「おニャン子クラブ」を手掛けたときも、少しずつファンが増えて、人が人を呼んで広がっていった。そんなアイドルを育てることが面白いかもしれないと思って、アイデアを転がしているうちに、

「ああ、そうだ。会いに行けるアイドルにしよう」

そう思いついたのだ。アイドルというのは、「追っかけ」と呼ばれる人たちがいて、アイドルがテレビ局にいれば、入り待ち、出待ちして、レコーディング・スタジオに行ったりして、ずっと追いかけている。でも、ちゃんとした形で会えるのはコンサートのときだけだ。

「だったら、同じ場所でずっとコンサートをやっていれば、いつでも会いに行けるじゃないか」

そんな発想がakb48の企画につながったのである。

■何と何を結びつけるか

それは、秋元さんの中で「おニャン子クラブ」の経験とか、バラエティーをつくったり、歌番組をつくっているときの経験とか、いろいろなものが「記憶」されているからなのです。つまり、発想や企画のヒントは、日常の中に転がっていて、それを「記憶」するところからはじまります。その「記憶」はアットランダムに並んでいて、たとえば詞を書く、あるいは映画をつくる、小説を書くといったときなどに、何を引き出してくるか、何と何を結びつけるか、ということなのです。

発想や企画というと、白紙の状態からウンウン唸るような感じがするが、じつはそうではなくて、自分が面白いと思ったことを思い出す、あるいは「記憶」に引っ掛かっていたことを拾い上げるという行為なのです。

■器に合う記憶を探せ

では、その面白いこととは、何か。コンテンツを盛りつけるには、いろいろな「器」があります。たとえば僕の場合でいえば、作詞、小説、テレビ、映画、コマーシャル、舞台などのコンテンツです。それらを前にして、

「この『器』に合う面白い話、なかったっけ?」

と探すのです。そこで求められている部分において、求められている器に合わせて、何を思い出すかです。思い出すためには、「記憶」しなければいけません。その「記憶」とは、その人が何を見ているかによって決まってきます。

料理でも同じです。焼き魚を器にのせてみたときに、魚だけでは見栄えがしないと感じたとき、何か色のあるものを添えたくなります。それが、緑の野菜なのか、煮物なのか、揚げものなのか。それとも、ちょっと変化をつけたバターソースなのか。そんなときに、また別の「記憶」が引き出されて結びつき、発想が広がって企画という名のレシピができあがるのです。

つまり「記憶」の数だけ食材があり、その食材を利用したさまざまなレシピが可能なのです。ただし、だからといって忘れまいとしてメモには取らないほうがいいでしょう。なぜなら「忘れる」というフィルターがかかることによって、不必要なもの、重要性のないものがどんどんこぼれ落ちていくからです。忘れてしまうことは、しょせん「記憶」に値しないのです。

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