タモリの口説き方。ブラタモリの企画方法

人気の長寿番組ばかりを担当していて多忙なタモリさん。コネクションもなく、突然出演を依頼しても、お話を聞いてくださるのかどうかさえもわかりません。そんな多忙なタモリさんを、『ブラタモリ』プロデューサーの尾関憲一さんは、コネクションもない中、どうやって口説いたのでしょうか。そこには企画を立てるとき、誰もがぶつかる「ジレンマ」に対する答えがあります。今回は、ブラタモリの企画方法を紹介します。


社内で企画を通すコツ

『ブラタモリ』のプロデューサー・尾関憲一さんは、

「タモリさんに出演していただきたいものの、何の約束も取れていない段階で番組提案票を作成していた」

と言います。

「社内調整」。これは企画を立てる人がぶつかるジレンマではないでしょうか。

新しい番組を作る際に、ぜひ出演していただきたい出演者がいる。しかし、番組を作れるかどうかも決まっていないのに、

「もし企画が通ったら出てください」

という頼み方は失礼な場合があります。

一方で、社内からは「本当にここに書いてある出演者の方は出てくれるのか?」とヒアリングされます。

出演候補が大物になればなるほど、この加減は難しくなってきます。

では、尾関Pはどうやってタモリを口説いたのでしょうか。

口説くのではなく、熱意を伝える

尾関Pは、途中からは「あれこれ考えていても仕方ないな」と考えるようになりました。

具体的にタモリさんを「口説いた」わけではないというのです。ひたすら「出てください」と言ったところで話が進むものではありませんよね。

尾関Pがやったのは次のことです。

1. とにかく自分たちの作ろうとしているものの面白さを伝える

この番組は面白いものになるはずだ、という確信のもと、繰り返しそのことを訴えたのです。「出演してください」という言葉ではなく、

「この企画についてぼくたちはこれだけの情熱を持っている」

ということだけがアピールできるポイントでした。

相手を口説くのではなく、自分が描くものを相手に伝えることでしか始まらないものがあります。

自分の中に「共感してもらえるもの」があるかどうか。相手を動かせるほど熱い気持ちが存在するかどうか。尾関Pは、いつもそのことを自分の胸に問いかけています

2. 自分たちにしかできないことを突き詰める

尾関Pは「自分たちにしかできないもの」をアピールポイントに挙げました。
そして、「自分たちにしかできないもの」とは何かについて、毎日毎日考えました。
その結果出た答えはふたつでした。

「時間をかけて丁寧に取材をすること」と「NHKの交渉力」です。

大きな組織にいると、自分たちの「持ち味」が見えにくくなります。セクションひとつひとつが、別の会社であるくらい違った仕事をしている場合はなおさらです。

たとえば、尾関Pが、カルチャースクールの講座を企画するある会社の人と話をすると、彼らはなるべくたくさんの人が集まる講座を企画しようとします。しかし、カルチャースクールの良さは、数十人が集まるだけでも成り立つ講座を企画できることです。

「どんなにいい講座を企画しても、ひとつの講座に集まる人は数十人」ということをプラスにとるかマイナスにとるかは考え方次第です。むしろ、数十人集まるものを考えれば企画として成立するというところが、カルチャースクールの「強み」なわけです。

仕事は、自分の会社の「良いところ」「悪いところ」をわかっていなければいけません。それが、自分の会社の「武器」を見つめ直すことにつながっていきます。

タモリさんと仕事をしてみたい方はブラタモリの企画方法参考にしてみてはいかがでしょうか? 仕事をするのが難しい有名人と一緒に仕事をしたいと働きかけるときにも使える企画方法です。

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