なぜ天才棋士「羽生善治」は一瞬で打ち手を絞り込めるのか? 将棋と仮説思考

プロ棋士である「羽生善治」は稀代の天才棋士です。仮にビジネスの世界に進んでいたとしても、かなりの確率で成功を収めるでしょう。それは「羽生善治」が仮説思考の達人だからです。


■「羽生善治」の意思決定力

「羽生善治」の棋風はオールラウンドで幅広い戦法を使いこなし、終盤に繰りだす妙手は「羽生マジック」と呼ばれています。「羽生善治」は将棋で大事なのは決断力だと述べています。すなわち意思決定です。決断にはリスクが伴いますが、それでも「あとはなるようになれ」という気持ちで指すそうです。そのときの意思決定を支えているのが仮説思考でし。

■将棋は仮説思考が大切

将棋には、ひとつの局面に80通りくらいの指し手の可能性がありますが、その80をひとつひとつ検証するのではなく、まず大部分を捨ててしまいます。80のうちの77、78については、これまでの経験から、考える必要がないと瞬時に判断し、「これがよさそうだ」と思える2、3手に候補手を絞ります。これはまさに仮説思考です。80のうちから、よさそうな3つの答えを出し、その3つについて頭の中に描いた将棋盤で駒を動かして、検証します。網羅的にすべての手を検証してから意思決定しているのではなく、大胆な仮説を立て、「これがよいのではないか」と指しているのです。

「羽生善治」は「直感の7割は正しい」ともいっています。直感は、それまでの対局の経験の積み重ねから、「こういうケースの場合はこう対応したほうがいい」という無意識の流れに沿って浮かび上がってくるものなのです。「羽生善治」はこう言っています。

「判断のための情報が増えるほど正しい決断ができるようになるかというと、必ずしもそうはいかない。私はそこに将棋のおもしろさのひとつがあると思っているが、経験によって考える材料が増えると、逆に、迷ったり、心配したり、怖いという気持ちが働き、思考の迷路にはまってしまう。将棋にかぎらず、考える力というのはそういうものだろう」

将棋の対局の経験をビジネスの経験に置き換えても同じことがいえます。ビジネスにおいても、問題の原因と解決策について、あらゆる可能性を考えるよりも最初に焦点を絞って仮説を立てることが大事です。それは、経験に裏打ちされた直感力、勘によるものなのです。

ビジネスでも将棋でも仮説を立てることが大切です。できるところから実践してみましょう。

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