ビジネスにおけるライティング2つの誤解

ビジネスにおけるライティングには2つの誤解があります。「書きたいことを書きなさい」、「起承転結で書きなさい」という誤解です。しかし、この誤解はあなたのライティング技術に悪影響を与えているのです。


1. 書きたいことを書きなさい

「あまり考えすぎると書けなくなるので、思いついたことを書くようにしなさい」
「自分の書きたいことをそのまま書きなさい」

学校の先生からこう言われた方は多いです。しかし、この教えは正しくはありません。これらは、日記や感想文などで、書くテーマが見つからない場合のアドバイスです。ビジネス文書では、何について書くのかを決めるのは、あなたではありません。それは読み手です。あなたは読み手の知りたいことを、読み手の関心に向かって書くのです。読み手は忙しいのですから、自分に関係のないあなたの関心事や思いつきに付き合っている暇はないからです。

この読み手のために書く、読み手を理解するという教育が日本では行われていません。作文や感想文のみならず、中学や高校の国語の試験でも、書き手の意図を答えさせる問題ばかり登場します。小説ならまだしも、実社会では書き手の意図がわかりにくいレポートは失格です。

2. 起承転結で書きなさい

「起承転結で書きなさい。結論は最後に書きなさい」

学校の先生からこのように言われて育ったせいか、起承転結という言葉だけが一人歩きしています。起承転結とは、起句・承句・転句・結句の4つから成る絶句と呼ばれる漢詩の構成を表したものです。つまり、ストーリー構成の一つの型を示しているに過ぎません。物語を考える際は便利でしょうが、レポート・ライティングの構成とは無関係なのです。

もう一つ問題があります。結論を最後に持ってくるメッセージ・スタイルが、和を大切にする日本の社会風土にマッチしていたことです。その結果、起承転結は「結論は最後に」という教えとして日本人の中にすっかり定着してしまいました。

ビジネス文書では、結論は冒頭に書くのが原則です。読み手は、関心を持っている事柄について、いち早くあなたの考えを知りたいのです。ライティングの基本的な考え方を理解し、習慣として身につければ、起承転結の呪いを解くことは難しいことではありません。

このように、国語教育から来る誤解や日本語特有の構造が足かせとなっています。この誤解さえ解ければ、ビジネスのライティング技術はみるみる上達するでしょう。

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