病院・医療法人のグループ名と特徴【グループ化が進む医療業界の動向と現状】

近年、病院を取り巻く経営環境の悪化につれて、民間病院を中心にグループ化の動きが進んでいます。病院・医療法人のグループ名と特徴を紹介します。


国立病院

国立病院では、独立行政法人国立病院機構、独立行政法人労働者福祉機構の労災病院グループ、社団法人全国社会保険協会連合会の社会保険病院グループなどがあります。

公的病院

公的病院(日赤や済生会、厚生連などの病院を公的病院といい、県立病院など自治体によって設立された病院は公立病院という)では、日本赤十字社による赤十字病院グループ、社会福祉法人恩賜財団済生会による済生会病院グループ、JA(農業協同組合)系の厚生連病院グループに分かれます。

民間病院

民間病院では、医療法人などを主体とした徳洲会グループ、中央医科グループ、ふれあいグループ、南東北グループ、武田病院グループ、大学を主体とした国際医療福祉大学・高邦会グループ、企業を主体としたセコムグループ、ユカリアグループがあります。それでは、それぞれのグループの特徴を紹介します。

独立行政法人国立病院機構

独立行政法人化した国立病院によるグループです。病院数は全国144病院5万6508床(2010年4月現在)と日本最大規模を誇ります。国立病院の基盤を引き継いでいるため大病院が多いことが特徴です。ちなみに、国立がんセンターなどの国立高度専門医療研究センターは、国立病院機構のグループ病院ではありません。

労災病院グループ

労働者の健康管理や治療、職場復帰を目的として活動している病院グループです。2002年に独立行政法人化し、全国32病院1万3187床(2012年1月現在)と大病院が多いのが特徴です。

社会保険病院グループ

健康保険や厚生年金をもとにつくられた病院によるグループです。現在では、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構から全国社会保険協会連合会へ病院経営を委託しています。全国に51病院ありますが、統廃合されたり自治体などへ売却されるなどして、減少傾向にあります。

赤十字病院グループ

全国92病院の規模を誇るグループです。ただ、グループとはいっても、赤十字病院は都道府県の支部により運営され、支部長は知事となっています。救急医療などを行なう大病院が多いのが特徴です。

済生会病院グループ

明治天皇によって生活困窮者への医療提供を目的に設立された病院グループです。全国95病院2万2699床の規模を誇ります。中規模から大規模の病院が多いのが特徴です。

厚生連病院グループ

都道府県や市町村のJAによりそれぞれ設立され、全国115病院あります。

徳洲会グループ

24時間365日の医療の提供を理念に、全国67病院、海外1病院と民間で最大規模の病院グループです。他の病院の買収や新規開設の際に地域の医師会ともめることもあり、医療業界では評価が分かれるグループです。また、グループから国会議員を輩出するなど、政治活動に積極的なのが特徴です。

中央医科グループ

IMSグループ(32病院1万1000床)、TMGグループ(25病院)、AMGグループ(26病院6094床)と3グループに分かれ、それぞれ関東地方を中心に展開しています。それぞれの経営者どうしが血縁関係にあり、3つのグループを合わせると、日本有数の規模の病院グループとなります。

ふれあいグループ

神奈川県を中心に12病院からなる病院グループです。老人医療をメインに診療所や介護施設なども展開し、近年急拡大しています。

南東北グループ

陽子線治療装置を持つ、福島県郡山市の総合南東北病院を中心とするグループです。現在はまだ5医療機関(診療所と陽子線治療センターがそれぞれ1つずつ)ですが、東京都や神奈川県にも拡大しています。東京・丸の内で著名医師が診療するクリニックなども有しています。

武田病院グループ

京都市を中心に10病院からなるグループです。公立病院の指定管理者なども担い、規模を拡大しています。病院協会でも発言力があり、影響力を持つ病院グループです。

国際医療福祉大学・高邦会グループ

国際医療福祉大学を核として、東京都や栃木県、福岡県などに病院を展開しています。国公立病院の払い下げなどにより、名門医療機関を有しているのが特徴です。着実に病院数を増加させています。

セコムグループ

セコムが経営支援を行なった病院で構成され、全国に18病院あります。有名な初台リハビリテーション病院(東京・渋谷区)もあり、大病院が多いのが特徴です。

ユカリアグループ

病院再生ファンドから始まった医療コンサルティング会社「キャピタルメディカ」の経営支援先を中心として、全国17病院からなるグループです。他の病院グループと違い、経営は独立しています。いずれも、ユカリアというブランドに属しています。

病院のグループ化の傾向としては、国立病院系のグループの場合、統廃合や売却を行なうことで病院数が縮小傾向にあり、公的病院系は現状維持、民間病院系では拡大傾向にあります。

経営が厳しくなればなるほど病院のグループ化は加速します。これからも地域の病院のグループ化が進んでいくでしょう。

参考本

「病院は、めんどくさいの記事」

    
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