『海燕』とは何か?

現在文芸誌と呼ばれる雑誌は、五大文芸誌が中心となっています。すなわち、文藝春秋の『文学界』、新潮社の『新潮』、講談社の『群像』、集英社の『すばる』、河出書房新社の『文藝』です。このうち『文藝』は年四回の季刊となっていますが、ほかの雑誌は月刊誌です。


もうひとつの文芸誌

かつてはこの五大文芸誌に加えてもうひとつの月刊文芸誌がありました。それが『海燕』です。かいえんと読みます。発行元は福武書店、現在のベネッセコーポレーションになります。初代編集長を務めたのは『文藝』の編集長も務めた寺田博でした。『海燕』は後発の文芸誌として、既存の文芸誌がフォローしていなかったサブカルチャー的な分野に力を入れていました。書き手でも、高橋源一郎や島田雅彦、山田詠美といった人たちが積極的に起用されており、さらに全共闘特集など、同時代性を意識した特集も多く組まれていました。

誰がデビューした?

『海燕』はほかの文芸誌に同じく新人賞を設けていました。そこからデビューした有名な作家は、電気工をしながら小説をつむいでいた佐伯一麦、「キッチン」の吉本ばなな、のちに直木賞作家となる角田光代などがいます。ですが、文学の新人賞の応募数が発行部数を上回ると言われるようになり、1996年に廃刊しています。

    
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