ホンダとサムスンメソッド、どう違う?

サムスンは世界的に名の知られた韓国企業でしょう。韓国の大学生にとってサムスンは人気企業です。倍率も高く、サムスンに入るための予備校まであるほどです。


ホンダメソッド

一方で、日本にも多くの有名企業があります。その一つがバイク、自動車メーカーとして知られるホンダでしょう。佐藤登による『人材を育てるホンダ 競わせるサムスン』(日経BP社)は、ホンダとサムスンの両方の会社に勤務した著者が、双方の大企業のメソッドを実用的に比較したものです。さらに日本企業と韓国企業の違いについても目をくばっています。

何が違う?

著者は、1978年にホンダに入り、26年4ヶ月にわたり技術開発に従事してきました。その後、韓国へ渡りサムスンへ入社し、8年4ヶ月にわたり勤務します。そこで感じた両社の違い、なによりも日韓の企業のメソッドの違いを比較しています。タイトルにもある「新人を育てるホンダ、競わせるサムスン」事例からは、サムスンの方が成果主義のため働きやすいように見えます。しかしながら、一方で「キャリアアップを本人に任せるホンダ、上司が決めるサムスン」といった傾向があり、どっちもどっちといえるでしょう。「責任の取り方が曖昧なホンダ、峻烈なサムスン」と日韓の企業風土の違いがわかるエピソードもあります。

どちらが正しい?

本書で述べられていることは、どちらが正しいというわけではありません。だから日本が遅れている、ともいいませんし、反対に日本は正しいのだと述べません。そうした白黒決めるような本ではないのです。著者はあとがきにおいて「ジャーナリスティックな見方ではなく、企業の現場に直接身を置いた数々の経験から分析できたことが大きな価値となっている」と述べます。外からの観察や取材だけではわからない、生身の言葉が本書にはあふれているといえるでしょう。

    
コメント