就職内定率はデタラメ? 就活生が知っておきたい就職内定率の話

2015年卒の就職活動もピークを過ぎ、残すは秋選考となっています。こんな時に気になるのが2015年の就職内定率や大卒内定率でしょう。でも実際、これらのデータを正しく認識できているでしょうか。今回は就活生が知っておきたい就職内定率についてご紹介します。


就職内定率とは?

就職内定率とは一般的に就職希望者に対する就職決定者の割合だとされます。正式には「大学等卒業予定者の就職内定状況調査(大学・短期大学・高等専門学校及び専修学校卒業予定者の就職内定状況等調査)」によって調査される「就職決定者」を「就職希望者」で除した値となります。また、この調査で求められる就職内定率は大卒内定率とも呼ばれます。

ここで一つポイントとなるのが、就職希望者という点です。例えば、就職を早々に諦め、調査段階で進学・フリーター・ニート・公務員浪人などを選択した場合には就職希望者には当てはまりません。私たちがイメージする以上に内定率は高く出る一つの要因は、定義上、就職希望者という限定された数を利用しているからです。もちろん、実感値以上に内定率が高く出るのには他の要因も存在します。

就職内定率の調査方法・調査対象

実際には就職内定率はどのように調査されているのでしょうか。実際の調査方法を知らずに内定率の数字だけを見て労働市場を語ることはできません。

「大学等卒業予定者の就職内定状況調査(大学・短期大学・高等専門学校及び専修学校卒業予定者の就職内定状況等調査)」では、全国の大学、短期大学、高等専門学校、専修学校の中から、設置者・地域の別等を考慮して抽出した112校(国立大学21校、公立大学3校、私立大学38校、短期大学20校、高等専門学校10校、専修学校20校)について、6,250人(大学、短期大学、高等専門学校合わせて5,690人、専修学校560人)を調査対象としています。

「現実を表していない」就職内定率調査に対する批判

就職内定率調査では正確に労働市場を描いていないという批判がされることが多いようです。より具体的に言えば内定率が実際の値に対して上方にバイアスがかかってしまうということが言われています。批判点は大きく3つあります。

1. 選択バイアス

批判は、第一に選択バイアスが存在しているという点。就職内定率調査では調査学校を明らかにしてはいませんが、一部の優良大学を対象にしているようです。相対的に就職に強い大学を対象にするという抽出方法では、全体像と乖離した結果が得られてしまうというわけです。

2. インセンティブ

第二に、入学者を確保するための戦略として学校側に内定率を高くするインセンティブが生まれているという点。高等教育が一般化・大衆化し、「大学は多すぎる」という事態に陥っている現在。大学が恐れているのは定員割れでしょう。

入学者を増やすためには、「就職に強い」というブランドも重要になってきます。そこで大学側にとって、内定率を高く見せるインセンティブが生まれてしまうのです。

3. 調査方法

第三に、調査方法の問題点です。大学には中学・高校に比べると自由、ゆるやかな風潮が存在します。内定調査に積極的に参加する大学生と、そうでない大学生には就職活動に当たる姿勢にも違いがあるのではないかという指摘があります。つまり、大学の内定調査に協力する真面目な大学生の方が内定を獲得しやすいため、結果的に内定率は高く表れるのではないかという指摘です。

就職内定率調査に対する、これらの批判はいずれも一面では正しいように思われます。しかし、一方では就職内定率調査は毎年行われているため、年次による環境などの違いを反映することはできます。一年だけの就職内定率を見るのではなく、連続的にデータを見て、その年の傾向を確認することには向いているでしょう。

統計リテラシーを持つことで、明らかに現実より高い大卒内定率を誇る大学の触れ込みを信じこんでしまうことや、実感値以上の就職内定率で焦燥感を必要以上に感じてしまうことが防げます。就活生はバイアスのかかった数値に一喜一憂することなく、就職活動にあたると良いでしょう。

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