あのときの恋心!嫉妬!恨み!同窓会幹事代行業者が見た、ドロドロ人間模様!(1)

懐かしい同級生たちと再会できる同窓会。旧友と昔話に花を咲かせたいから参加したいのは山々だけど、言い出して幹事になるのはかなり大変。
事前連絡や出席・欠席の確認、会場の手配、レクリエーションの演出etc…。段取りが悪く、不評を買うと割に合わない。
しかし、そこに登場し、当日の受付、司会進行を含めて面倒な幹事役を代行してくれるのが『同窓会幹事代行業者』。
誕生して5年。最近、全国に次々と増えつつあるこの業者幹事代行サービスという新商売。

4年前、そんな同窓会代行に、新しいビジネスチャンスを見出したのが、今回お話を聞いた岡本幸二さん(仮名/42歳)だ。
しかし、何年・何十年も経過した卒業者名簿がきちんと機能するわけはなく、ノウハウも手探り状態で七転八倒。一筋縄でうまくいくものでもない。

それに同窓会に集まった人間たちの薄汚い人間模様、連中が巻き起こす騒動も数々あって…。
今日は、彼に同窓会代行ビジネスの裏側と参加者たちの珍騒動を語ってもらいたいと思う。


幹事で苦労した経験を元に起業

5年前、自動販売機設置の商社に勤めていた私は自分の出身校である商業高校の同窓会を当時の友人たちに声をかけ、主催しました。
しかし、簡単に考えていた幹事の仕事、その苦労は想像をはるかに超えていました。

卒業生の名簿は一冊あれど、なにせ15年前の名簿。転居している同級生が何人いるか。居所のわからない彼らとの連絡の取り方をどうすればいいのか。
人づてに電話番号がわかったとしても、自宅などに電話すれば悪徳マルチ商法の勧誘と間違われ、苦い思いをしたんです。
会場選びや打ち合わせ、料理や飲み物のオーダー、イベント進行、諸経費の頭割り額算出に追われ、想い出を語り合う暇すらない。
えぇぃ、やってられるかい! といいことなんてなにひとつありませんでした。

しかし、最後に同級生全員がこんな言葉をくれたんです。

「こんな素晴らしい会やってくれて、ありがとうな!」

それを聞いた私の積もりに積もったフラストレーションは一気に吹き飛びました。その爽快感は今でも忘れられません。
「これが商売になれば…」私はそう考え、妻に相談もせずに、会社を辞め、同窓会代行サービス会社『同窓フォローアップ(仮名)』を立ち上げました。

しかし、まずどうやって客をつかまえればいいのかわからりません。どうしたものか。
調べてみると、そんなサービスをすでにはじめている業者があり、モデルとして、その手法にあやかって展開することにしました。
自宅で、素人臭いホームページを作り、大阪・神戸・京都の飲食店に、大量に刷った宣伝用のパンフレットを置いてもらうために交渉に回ります。でも、なかなか設置に至りません。

「どうか、置いていただけませんか?」
「お客がようけい入ってて、そんな場所ないわ!帰れ!」
「どうか…」
「インチキ臭いなぁ、どこの馬の骨かわからん人に場所は貸せません!」

そこで、その店で申し込みのあった客の利益の1パーセントをキックバックするという方法をとりました。
先行していた同業者には、そんな交渉の余地がなかったからです。数十件の設置が決まり、そのあとは、テストケースを作ること。

知り合いや親戚中に手当たり次第、同窓会を開いてもらうように頼みまくりました。

「叔父さん、ちょっとお願い事があるんやけど…」
「金のこととか保証人とか、お断りやぞ。いくら甥でも」
「“同窓会”開いてほしいねん!!」
「は、はぁっ?!」

そこで、私の従兄弟が同窓会を開いてくれることになったんです。
激安料金で、赤字覚悟ですが、背に腹は代えられません。参加者の飲食代だけで、私は初めて同窓会代行を請け負いました。

連絡のつく卒業生から所在不明の者を手繰る

まずは、同窓会の主催者に、予算と会場など基本的な要望を聞くこと。あとは、卒業アルバムを受け取り、住所録どおりの案内ハガキ発送と地域の新聞などでの伝言板掲載。
送ったハガキの約7割が“転居先不明”で郵便局から返送。その一方で3割の卒業生の連絡先が判明します。

案内ハガキには『同窓フォローアップ』のホームページにアクセスできるIDとパスワードが記載されているので、セキュリティー部分でも万全。
掲示板に連絡を入れてもらうのです。
ホームページには、住所が判明していない卒業生のリストを掲載。
案内ハガキが届いた人から、転居先不明の同級生の情報を収集していくというシステムになっています。

同窓会が行われるまでの4ヶ月ほどで7割5分ほどの住所が判明するんです。
最近ではミクシィなどの母校コミュニティー、ツイッター、フェイスブックなどで同級生を見つけるケースが多いため、意外に8割ほどがみつかります。
料金は1人あたり6000円の居酒屋ワイワイプランから、ホテルのVIPプラン1万3000円、クルーザーで過ごすロイヤルプラン1万8000円までの5コースと、予算委に応じたフリープランの6プランが選べます。

事前準備金もなく、出席者がドタキャンした場合もキャンセル料もなし、諸費用はすべて会費に組み込んであるので、明朗会計。納得価格で、幹事が金銭的なリスクを負わないで済むのが何よりのメリットです。

さほど大きな失敗にも見舞われず、実績を積むと、会場になる居酒屋やホテル側が私の商売を認めはじめました。まさに順風満帆。このときには、おかしなトラブルが多い商売とは思っていませんでした……く

(丸野裕行)

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