イジメられっ子の仰天復讐!同窓会幹事代行業者が見た、ドロドロ人間模様!(3)

4年前、同窓会代行業をはじめた岡本幸二さん(仮名/42歳)。同窓会幹事代行業者が見た、ドロドロ人間模様最終回をご紹介します。


デカ女の恐ろしい告白

また、淡い恋心をいまだ引き摺る参加者もいました。
3年前の40代の同窓会を請け負ったときです。

主催者である、南海キャンディーズしずちゃん似の巨漢女性が、乾杯の音頭のあとになにやら分厚いノートを抱えながら壇上にあがってきました。
何がはじまるのか聞かされていない私たちスタッフも状況が掴めないまま、彼女は話はじめました。

「ワタシは、ずっと高校時代から、高橋オサム君のことが好きでした…」

突然の告白に、会場は沸き、歓声や指笛が鳴ります。高橋さんは場内の中心に立たされ、囃したてられました。

「そして、ワタシはあれから今までずっと日記を書き続けました…少し聞いてください…」

片想いの美談に、さらに沸く場内。

「《○月○日。アナタのことばっかり考えて、アナタが2年前から住んでいる○○町のマンションに今日引っ越しました。ここならアナタも○○区の会社まで近いからいいよね。これで、やっとアナタの家から目と鼻の先。家を出る7時23分にはワタシも窓越しに行ってらっしゃい。帰ってくる頃には、お帰りなさい…》」

常軌を逸した内容に、全員がシーンと静まり返りました。これはひょっとすると、ストーカーというやつでは…。そんなこと言わなくても、誰もがわかっています。

「《○月○日、今日は晴れ。アナタの白いイプサムでいっぱいドライブ連れて行ってほしいな。でも、ワタシはアナタを待って結婚もせずにいるのに、日曜日に楽しそうに家族で出かける姿を見ると、たまらなくなってぶち壊してやりたくなるよ…》」

淡々と朗読される前に立たされた高橋さんは、さっきまでの酒がぬけ、真っ青な顔になってしまいました。それからは、同窓会が盛り上げるわけもなく、ものの40分ほどでお開き。あんなに静かな会は後にも先にもあの時だけでした。

同窓会代行サービスは、なにも小・中・高・大の学校だけを対象にしてる訳ではありません。
以前籍を置いていたサークルや過去に住んでいた団地の自治会、趣味の会なども仲間を懐かしみ集まったり、そんなときにも利用できます。

イジメられっ子がヤクザになっていた

最後にとっておきの身も凍る同窓会の話をしたいと思います。
これは昨年春のお話。提携している高級カラオケ店のパーティールームを貸しきっての中学の同窓会。
32歳の参加者たちが続々と会場にやってきました。16年ぶりの再会に、いつもの同窓会風景同様、場内はワイワイと騒がしく活気づきました。

そこで参加者が1人の同窓生のことを言い出しました。

「“ダニゴマ”はどないしてるやろな?」
「あんなもん、死んでるか、新聞配達でもやってんちゃうか?」

参加者の全員がケラケラと笑い、話のネタは段々とエスカレートします。先生までも悪ノリする始末。

「ウンコばっかり、今でも洩らしてるんちゃうか! 未消化のゴマが出てきた時は、ビックリしたな」
「そう、そう、ワタシら女子の前でもアホ丸出しやったもん! ダニみたいアイツがいるだけで気分悪かったわ!」

へ~、それで“ダニゴマ”。いかにも子供という安易なあだ名。受付者名簿を見ると残り1人。連絡はついているようでした。
【バタン!!】

会場の扉が、勢いよく開くと、180センチはあるオールバックの大男が、マオカラーのスーツの上にロングコートを羽織ながら、入ってきました。
だ、誰ですか? か、会場間違ってますよ!!

「山崎や!! 遅なったなぁ!!」

サングラス越しに、全員を睨みつける彼。皆背筋を伸ばし、先ほどとは180度違う、張り詰めた空気。

「え…や、山崎ぃ…? アレが…」

消え入るような呟きが誰ともなく、聞こえてきました。
なにわともあれ、ドリンクを配り、乾杯することになりました。適当にこちらが決めた席順に、座る山崎さん。相変わらず会場は静寂。

「や、山崎くん、お久しぶりやね…」
「“ダニゴマ”やろ? オレは?」
「ハハハハハ…。今、…何やってはるの…?」
「談合屋じゃ!! しょーもないこと聞きさらすな!!」

ジャケット脱いだ中の白いシャツから、刺青が透けて見えています。

「古田は、今日は来てへんのか!!」

山崎さんが怒鳴ると、遠くの席から手を上げる参加者。

「…僕…やけど…」
「お前か、お前だけは絶対殺したるからな!! 家もわかっとるんじゃ!! 家族ごといてもうたるからな!! そこのジジイ! ワレもじゃ!」

言われた古田さんと先生が半ベソでガクガクと体を震わせています。

その後もビンゴゲーム、思い出話サイコロトークなどなにをやっても盛りあがることもなく、最後まで山崎さんの怒号で終わりました。
帰りには、駐車場で山崎さんが古田さんの車にぶつけて、「4課でもなんでも呼べや!!」とそのまま古田さんをどこかに連れて行ってしまいました。
参加者は、今後2度と同窓会を開くことはないでしょう。

これから頻発する同窓会代行詐欺

本当に当たってうれしい商売だったんですが、同窓会代行サービスのライバル会社が増えれば増えるほど、新ビジネスの穴が露呈します。
例えば、同窓会代行業者を騙った“振り込め詐欺”。

卒業名簿の入手は、個人情報保護法下といっても、1番容易。そこから一斉に同窓会開催の案内を送れば、十数人がヒットします。
もっとも多いユーザーの中年から高齢者に宛てた案内状に《事前に参加費用、会費の振込みをお願いいたします》と一文入れておくと、届いた方は「目新しかったが、最近は世間で認知された“同窓会代行業者”」だと、何の疑いも持たずに振り込んでしまうでしょう。

そんな問題が、表面化すれば、個人情報の過剰な保護をみなさんに芽生えさせ、疑い深い卒業生が気軽にアクセスしたり、容易に同級生の連絡先などを教えてくれなくなります。
この予想を、恐らくほとんどの幹事代行会社が危惧していると思います。
やはり、みなさんの情報提供が一番大切で、それで成り立つ商売ですから。

定番になってきた人気の商売。“同窓会を楽しみたい気持ち”と“情報保護”のギャップは大きい。

この後の世代の卒業アルバムに住所と電話番号は記載されているのだろうか。これからの彼ら、心配事は尽きないようだ。

(丸野裕行)

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