個人通販で利用者増!犯罪の温床にもなる秘書代行サービスのお仕事とは?

あなたは秘書代行、電話代行サービスというものをご存じだろうか?

商売をするにも事務所を借りて、所在地をつくり、電話線を引いて、社員やアルバイトを雇って問い合わせに対応し、顧客にサービスを提供しなければならない。
しかし、それを低料金で可能にしてくれるのが、秘書代行電話代行サービスなのである。
使い方は実に簡単。業者に身分証明書や事業証明などを提出して月々のサービス手数料を支払うだけ。

顧客から電話があったときには、「はい、○○株式会社です」や「はい、〇○通販事業部です」と、いかにも自社の社員のような口ぶりで対応してくれる。
簡単にいえば、実体のない会社をさも存在するかのように演出できるというものだ。
今回は、この仕事の裏側に迫りたいと思う。


基本的に24時間体制で、オペレーターが対応

契約を結んだ業者や個人事業主への電話を自動転送し、電話代行オペレーターが24時間体制で電話応対をしてくれるというこのサービスは、
近年非常に人気が集まっている。さて、利用料はいかほど、ほかにはどのようなサービスがあるのだろうか、

現役電話代行業者・F氏にお話をうかかがった。彼はこの道20年のベテラン。依頼者からのどんな案件にもできるだけお応えするという。

「入会金もなく、月額1万円以下でやらせてもらってます。そこが最低価格ですかね。個人のネット通販をやれている方々なら数日に問い合わせの電話が一本鳴るか鳴らないかなので……。日に数十本鳴るようなものはそうはいきません。オプションで様々なサービスもありますし、価格はそれなりにあがっていきますね」

電話内容を次の日に依頼者に報告し、対応をしてもらう。商品の注文受付から発送のご案内までを電話代行サービスで賄う。
もちろんそこで価格は違ってくるだろう。雇っているのは、すべて女性スタッフ。
それも、オペレーター経験を2年以上持つ経験者ばかりを集めている。やはり女性の電話応対の方が安心するというのが一番の理由のようだ。

ネットショップをやっていて、人件費を考え、社員を雇えないときや深夜の電話応対ができないときには非常に便利なのはわかったが、このビジネス、実際は偽りの会社やネットショップを支えているような気もする。問題などはないのだろうか?

「ちゃんと、証明書なども見せていただきますし、なにかトラブルがあったときには責任の所在を依頼者に持っていけるので問題はありません。時々、厄介な依頼者の方からご相談はあります。でも、怪しいクライアントの方とはお付き合いをする気もありませんし。ただこの業界、問題のある業者さんもいるようですよ」
おっと、やってきました。裏話。
これが聞きたかったんですよ、と興味津々でお訊ねすると、F氏は「ここだけの話」と語ってくれた。

4つの詐欺会社が同じ住所にある

「うちの会社に関しては、しっかりとクライアントの身元を確認していますが、業者によっては、私書箱代行や現住所、電話番号の貸し出しまでを行っているところもありますよ。私書箱や住所の貸し出しをやれるのは、常に24時間体制でオペレーターが事務所にいるという利点があるからですね」

なんと、会社の所在地までも代行業者の元へ登録してくれるということで人気が集まっているらしい。ということは、郵便物もすべてこの代行業者の元へ届くということなのだが、完全に幽霊会社ができてしまうということなのか。

「秘書代行、電話代行業者ができはじめたときには法律も厳しくなかったのですが、最近では事業者や依頼者の本人確認がかなり厳しくなっています。これを怠ると、犯罪などが起こったときの協力者とみなされて、商売ができなくなってしまうんですよね。でも、最近では、電話代行業者が詐欺まがいのことをやっている業者と組み、事業証明をデッチあげて、悪質な商売をしていると聞いています」

簡単に言えば、電話代行業者が被害に遭ったというカタチにして詐欺業者と組み、ひと稼ぎするということだ。何年か前にあった事例では、大手求人広告会社に似た名前の会社を騙り、「広告料金の未納分がある。早急に振り込んでください」という請求書を、求人サイトや求人チラシに掲載されている業者に送り付け、架空の請求額数百万を詐取したという事件があった。

その請求書に記載されていた兵庫県の住所と電話番号をネットで調べると、保証人斡旋業者と美顔器販売業者、タンポポエキスを使った豊乳ドリンク剤販売業者、小型犬ブリーダー販売業者の4つが同じ住所と電話番号でヒットした。

被害に遭った求人広告会社は、警察に被害届をだし、電話代行業者が詐欺集団と共謀していたとして指名手配されたが、事務所はもぬけの殻。行方をくらましてしまったそうだ。

「これだけ、秘書・電話代行が増えると、おかしな輩も増えていきます。堅実にやっている業者がバカをみるんですが、便利な電話代行業界が“アリバイ屋”なんて呼ばれたままでは後に引けません。なんとか悪質な業者を排除するために頑張っているんです」

胡散臭いだけだと思っていた電話代行ビジネス。真摯な姿勢のF氏の固い意志が伝わってきた今は、自分の中でもこの業界に対するイメージが少し変わってきた。

(丸野裕行)

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