転職先にぜひ!実は儲かるタクシードライバー

「景気どうですか?」
「いやぁ厳しいっすね~」

タクシー運転手との会話といえば、なぜかこのやり取り。乗客はタクシードライバーの仕事にあまりいいイメージを持っていない。運転のマナーは悪い、どこの会社も勤まらなかった人間の吹き溜まり、手取り20万もないような自由業etc…

ちょっと待て、果たして本当にタクシー運転手の仕事は儲からないのか。
実は今までのイメージを覆すようなドライバーの実態を現役運転手が証言してくれた。
客が集まる情報収集や儲けるテクニック、目からウロコのその事実に、ちょっと耳を傾けてほしい。


月半分働くだけで、手取り34万円

「よくタクシーの後部座席のところに、“月収40万! 入社祝い金15万!”なんて書いてあるでしょ? あれね、本当なんですよ」

イキイキした目でそう語るのは、現役運転手のYさん(乗務歴1年/48歳)。

求人誌でよく見かける甘い謳い文句は、嘘ではないという。では、なぜ景気の悪い言葉を客に吐くのか。

「ああ、あれね。お客さん商売だから、景気がいいなんて口が裂けても言っちゃいけないんですよ。自分より稼いでるってなると気分悪いじゃないですか。だから、先輩ドライバーには新人はキツく言われてますよ、ホント。大変なんですって言っておけば、“オレよりも大変なやつがいるのか…”と思ってもらえるからね」

ちなみにタクシードライバーになるには、普通免許があれば、大概の会社は雇ってくれる。運転に不可欠な二種免許も会社負担で取得させてくれるし、その間も日給1万円ほどの生活補助が出る。

その後は、タクシー車両の基本操作を学ぶ社内講習→座学→教官を乗せての実走講習→2週間後、はれてドライバーとなれる。

給料は、乗車料金の約6割が収入になる。1日4万円で、月14日間勤務で、34万弱。400万の年収プラス、ボーナスも出る。年収500万円も嘘ではない。普通の一般的なサラリーマンの収入なんてゆうに超えてしまってるじゃないか?

しかし平均年収が確か低かったはずのタクシードライバー。
「それは違いますよ。それには理由があるんです」とYさん。

話を聞けば、実はタクシー運転手の平均年収を下げているのは、家業と兼業、ちょっと出稼ぎ、小遣い稼ぎ、サイドビジネスの片手間60代運転手の存在が大きいという。勤務時間は、朝8:00~深夜2:00まで、11:00~早朝5:00、13:00~早朝7:00の3つ。

どの勤務時間も18時間労働というハードなものだが、3時間の休憩付き。さらには、14日間以上の勤務は法律で禁止されている。

休日のYさんは大好きな旅行とゴルフを愉しんでいるそうだ。
いかがだろう、朝から深夜、休日出勤もいとわず、社畜として働くサラリーマン人生からすれば、その勤務体系はまさに天国ではないか。

空港でロング客を狙い、領収書を客に売る

しかし、この収入を楽をしながら手にするには、とにかく空車時間を減らすことが第一。
それには、それ相応のテクニックがある。
都内に立派な一軒家を建てたベテラン運転手からYさんが伝授された手法がこれだ。

  1. ロング客が多い午後6時以降の空港を狙う…長旅疲れと多い手荷物で心が折れた客が自宅まで乗車する※但し、奇数日、偶数日でナンバー規制が入る
  2. 床数の多い総合病院の“大安”の日を狙い、退院客を狙う…ゲン担ぎに退院の日を大安にする患者が多い
  3. 結婚式を行うホテルのエントランスを少し離れた場所を狙う…タクシーにあぶれた列席者が多い
  4. 「流し※」で稼ぐなら、空港方面の幹線道路を狙う…ゴルフバッグを持っている客が多い(※流しとは、街を走行しながら客を拾うこと)
  5. 「マンシュウ」なら、繁華街で大人数の客を狙うべし…相乗りで、全員の家を回る※マンシュウとは、1万円を超える上客
  6. 有名俳優が出演する芝居会場を狙う…遠方からの客が多く、テンションが高いので、財布のひもが緩みやすい
  7. 私鉄との振替運転ができる駅は必ず押さえておく…タクシー会社の班長から「電車止まったよ」と情報が入る
  8. 常に高速道路の入り口を向いて走る…おのずと高速ロングになる

もちろん、こういった業界だから裏技もある。

  • いい飲食店や風俗店を紹介して、マージンをもらう
  • 金のなさそうな若い女の子に「3千円でいいよ」と乗車させ、“回送”扱いで送り届ける
  • 車内で酒やつまみの販売をする などなど

さらには、4万ほどの領収書を数千円で売ることもある。
何度打刻しても履歴が残らないタクシー内の領収書発行機を使って、領収書はいらないというお客の領収書をストック。それを税金対策で大変な企業の重役と思しきお客に売るそうだ。

Yさんも何度か、この手口で飲み代を稼いだという。
「昔は、会社で血反吐を吐くほど働きづめ。今は気楽なドライバー生活で、妻と人生を愉しんでいますよ」

あなたも自分が勤める会社の将来に不安があれば、タクシードライバーを転職の選択肢に入れてみればどうだろうか。ある意味、充実したバラ色の就職生活が待っているかもしれませんよ。

(丸野裕行)

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