ノマドワーカーを科学する

働く場所を持たないノマドワーカースタイルが提唱されて久しいです。それは、いまや当たり前のものとなりつつありますが、そもそもどのようにしてできあがってきた空間なのでしょうか。そうした、ノマドワーカーについてメディア論的な視点から読み解いた本が、松下慶太による『モバイルメディア時代の働き方:拡散するオフィス、集うノマドワーカー』(勁草書房)です。

歴史がある

こうした働く場所を持たない、特定のオフィスに通勤することのないワーキングスタイルは、今にはじまったことばかりではありません。かつてからテレワークといわれて、遠隔で働くといったスタイルはありました。それは、指示を常に出す必要がない作業などにあてられていったといえます。しかしながら、インターネットの時代で、いつでもどこでもつながれるようになり、複雑な仕事であったとしても、ネットを通じてやりとりができるといったこともできるようになりました。

人間が欲望する?

この働く環境というのは、インターネットの利便性によって生まれたものであるとともに、人間がそのような働き方を求めていたともいえます。それは都会に住まずに、自然環境の豊かな地方で過ごすといったこともありますね。通勤時間の満員電車が苦痛であり、ストレスの源泉ともなるといったこともあるでしょう。あるいは、人間関係のトラブルを最小限におさえるといった効果もあるかもしれません。それは、メディア環境がそのようにととのえられたのではなく、人間が欲望してできあがったともいえます。

ワークライフバランス

さらには、これまでのように長時間働かない代わりに安い賃金でも良しとするといったワークライフバランスといった考え方も生まれてきています。こちらも、人間主体の働き方の選択肢であるともいえるでしょう。「働き方」に着目することで見えてくるものも多くあるといえます。