しつこい勧誘、嘘、恫喝etc…新聞拡張員の仕事って誰がやっているの?

「すいません、〇〇新聞ですが、半年だけでも取ってもらえませんか?」
断っているのに何度もチャイムを鳴らし、やってくる新聞拡張員。

あの人たちは何者なのか? 一日中ずっと無契約の家庭を回り、定期購読の勧誘をしているのか?
すべてが謎に包まれている、あなたはそう感じたことはありませんか?
実は、あの人たちが新聞社の人間ではないと知っていますか?
では、どこからやってくる人間たちなのか……。

すべてがベールに包まれた新聞拡張員の仕組みと平均月収、何者なのかを今回は現役、元拡張団員の方々と共に解説してみたいと思います。


借金まみれの外部社員が混じっていることも……

実はそのエリアの新聞を取り扱っている配達所、販売所の人間以外の部隊である、“新聞拡張団”というものがあります。
厄介な新聞屋の勧誘というものは、この“新聞拡張団”の人間たちが行っていることが多いのです。

とある闇金融では、借金が返せない男たちや女たちを、この“団”に抛りこみ、半ば強引に契約を取らせるように仕向ける仕組みもあるようで、元ヤクザや体が動かなくなった肉体労働者、スポーツ紙の三行広告で集まった人間など、過去と顔を消してしまっている人々の吹き溜まりであるようです。

現拡張員のAさんはこう言います。

「元々、販売所の業務っていうのは配達とか集金業務が主になっているでしょ? 営業活動ができないから、拡張団に仕方なく頼んでいる。自分たちで営業を取れば安く済むんだけど、団に頼むと高いからね。平均3ヵ月契約で3千円~4千円は支払ってるよ。でも、営業をしておかないと、Webサイトでのニュースが氾濫しているこの社会で生き残っていけないしね」

昔拡張員をやっていたBさんの過去はどうなんでしょうか?

「拡張団は、団長と拡張員に分かれてて、僕の場合は、拡張団『N企画』ってところに自分の借金を肩代わりされた。夜討ち朝駆けで毎日借金返すために客のところを訪問しまくってますよ。一度40度の高熱が出たときでも、寮の布団から叩き出されて、行って来いって言われた。地獄だったね」

団はまず3つに分かれている

勧誘チームは、

  • 全国をターゲットに動く“共通団”
  • ある一部の地域だけを営業する“地場団”
  • 限定されたエリアを営業する“専拡員”がある。

新聞の発行元と委託契約を結んだ団は三者三様バラバラであなたが住んでいる街を回っていきます。※時々、徒党を組むことがある=特別拡張
契約を結んだという拡張料は、日払いで支払われる内金と、一度拡張団が給料日まで置いておく残金に分かれます。

「1日で内金をギャンブルや借金返済などに使う人間も多く、団が管理をしているという状態らしい。やっぱりそういう人間たちが多いよ。行くあてもないやつらって感じだから、団も厳しく取り仕切れるんだと思うよ。辞めたって、住み込みで働くところなんてないもん。団員の寮なんて、6畳一間に4人も寝て暮らしてるんだからヒデェもんだけど、家がないよりはマシ。もしクビになったとして、ほかの新聞社の団に入ろうと思うと、“借金踏み倒し”とか“盗み癖アリ”なんて書かれた回状がまわってるから、仕事なんてできやしない」(現役拡張員Cさん)

恐ろしい横のつながり。さて、話を元に戻して、拡張団員の一日を覗いてみましょう。
まず販売所で行われる朝礼からはじまります。その後、顧客リストの確認をして、引っ越したての家、他社の新聞を取っている家、トラブルが起きる家、高齢者住宅、子供だけの家など頭に叩き込みます。それからは、蜘蛛の子を散らすように総出でセールス活動開始。

結果次第で、月に70万ほどの給料を取る団員もいます。しかし、拡材と呼ばれる景品を配るのは、すべて自腹で契約を取ろうと思うとなかなか儲けが出るものではないそう。
「拡材で売り上げをあげているマトモなのは一部だけ。ウチの前でドアを開けさせるために嘘言ったりとか、恫喝で年寄り脅して取らせたりとか、自分の入れ墨をわざと見せたり、そんなのが多い。しつこく嫌がらせの電話を入れたりするのもいる」(前出のAさん)

もちろん無理やりあげた契約だと、“不良カード”というペナルティ契約になるのですが、これが多いと団長から暴力をふるわれたり、団から追い出されたりします。
転居、クーリングオフ、契約者の死亡、契約世帯への不着、契約が履行されないなど代金と罰金を取られ、また拡張員は新たな借金を抱えます。

このような無間地獄が続く中、拡張員たちのストレス発散場所は、なんと顧客の元へ……。
態度の悪い家の住人には、リベンジもあるというのがBさん。
「ひどいもんですよ、鍵穴に瞬間接着剤入れたり、買ってる犬に錆びたクギを混ぜたエサを食べさせたり、聞いただけで虫唾が走る。それを止めようともしない、数字だけ上がればそれでいいという拡張団の姿勢には昔っから疑問を持っていた」

ただ街をさまよい、人の家を訪ね、新聞を売り歩く拡張員の方々。なかなか深い闇を抱えた商売のようです。
※すべての拡張員がこのような方々というわけではありません。ご容赦ください。

(丸野裕行)

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