高級外車は金のなる木!中古車ブローカーの驚くべき稼ぎ方

私事ではあるが、国産車が好きではないので、ファーストカーからずっと輸入車に乗っている。
メルセデスにBMW、ポルシェ、フォード、クライスラー、アルファロメオ、ジープ、サーブ、プジョーetc……
外車特有のくせのあるカタチやこだわりのインテリアなど、やはり日本車とは一線を画す。
国産車は機械、または足代わり、外車は生き物という気がするのだ。

確かに輸入車づくりの技術は向上したにしても、やはり故障は多いし、部品交換などになれば高額の修理料金がかかる。
にしても、魅力的な乗り物であるし、街を流していても、注目度は満点だ。というよりも自己満足度を満たしているという感じか。

しかし、外車ブローカーは、自動車を売る、修理をするという単純な錬金術だけで儲けを出しているわけではない。
彼らはどのように、外車を生業に利用しているのかを、知り合いのディーラーからの紹介を受けた輸入車中古ブローカーから聞くことにした。


事故車を高く売るテク“起こし”とは?

レクサスの高級車でガストに現れたブローカーは、鞄の中から現金の束を見せ、こういった。どうやら、ジャンク品の高級車を現ナマで買い付けるための資金らしい。一目見ただけで、ゆうに3千万はある。
「普通にやってても、こんな風に絶対儲からないし、いろんな手口はあるよ。一番手っ取り早いのは、全損やら半損のフェラーリ、ポルシェ、ベンツなんかを板金や塗装で再生する“起こし”だね。原材料費が少なく済むのに、儲けが大きいから」

車両保険で持ち主には新車を届け、引き取ってきた動かない事故車両を工場へ運ぶ。そこに“起こし”のプロ職人を呼び、熟練のテクニックで復活させるのだ。必要なのは同じ型の2台。

ネットオークションなどでよく見てほしいが、「どう考えても走行不可能だろう」というような部品取りの車両が売られている。彼ら“起こし”のプロは、マグロのように一切捨てる部分など残さず、使い切るそうだ。

「知り合いの外車屋に業販で売ることもある。そのブランドのディーラーでも“起こし”はバレないよ。修復歴なんてない車が一丁あがりさ」
話を聞いていてその“起こし”のプロが気になった。その事故車再生を専門に請け負うプロというのは、一体どこで見つけてくるのか。

「昔っから、クラシックカーのレースのピットに入っている整備士とか大手の自動車会社の技術者とか、とてつもない腕を持っている人間は多い。そういう人間をハメたり、借金まみれにして、無理に“起こし”に加担させることもある。もちろん、言い値でギャラを払ってやってるよ。今ウチで預かっている“起こし”のプロは3人。2人はギャンブルで借金まみれにしてあるし、1人は息子のスキャンダルをネタにやらせてる。中堅どころの整備会社だから、これが漏れるとまずいだろうしね。もちろん、闇社会にお願いして、そう仕組んでもらったんだけどね。職人肌は、基本的に気難しくて、言うこと聞かないから、そうしないと仕方ない」

実にブラックな世界だ。人間、ひとつやふたつ弱い部分を持っている。そこを突いて、組織から逃れられないようにしてしまう、恐らくはそんなやり方なのだろう。最後の1人のスキャンダル、というのは恐ろしくて聞くことができなかった。息子をハメて、協力せざるを得なくしたことがみえみえだ。

自作自演修理、そして窃盗の手引きを小学生たちが……

その他、多額の儲けが出る手法としては、大したことのない自損事故に大きな傷をつけて、最大で数百万円まで修理費をあげる、自作自演修理。

車両保険負担なので、所有者の腹は傷まない。たとえば、メルセデスベンツのSLクラスのバンパーに擦過痕がついていたとして、それを納車し、全塗装が必要なほどの有様にしてしまう。
自動車保険会社も、超高級車と言われる車両(※年額でかなりの車両保険を支払わせているので)を厳しく査定する手間などかけないものだ。

「それにやっぱりおいしいのは窃盗の高級車だよね。元手がちっともかかってないし、海外に輸送してしまえば、それで済むんだしね。今面白いのは、協力者に小学生のガキどもが関わっていることかな。連中、駄菓子銭くらいでよく働いてくれるよ」
窃盗団に小学生が加担している……ん? 一体どういうことだ。まったくつながらない話に少し戸惑った。

話を聞けば、なんと小学生たちがどの家に高級車が置かれているのか、所有しているのか、の情報を収集しているそうなのだ。
確かに高級住宅地で、深く帽子をかぶった大人がうろついているのは怪しい。小学生くらいの子供が遊んでいても、不思議はないのだ。

「で、情報を掴んだ自宅や事務所に、夜中のうちに盗みに入る。そのあとは、修理工場で車体番号を削り取ってナンバーを付け替える。あとは偽造屋の車検証と整備記録をつければ、OK。小学生も、地元の不良の弟やらそんな連中だから、マックのハンバーガーでも食べさせておけばそれでいいんだよ。そうやって手なずけとけば、将来なんかのときに役に立ってくれる」

犯罪の若年化が進んでいるとは聞くが、まさかここまでとは。ちなみに、今回の輸入車ブローカーが違法行為を行っているだけで、真っ当に商売を行っている業者ばかりだということを知っておいてほしい。ただ、あなたのそばにはそんな悪徳ブローカーがいることもお忘れないように……。

(丸野裕行)

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