ネットでの犯罪仲間の募り方とは!闇の職業安定所仕掛け人が語る(1)

“闇の職業安定所”とは非合法な金儲けや情報の交換を行うインターネット掲示板である。これを筆頭としたアングラサイトでは、主に犯罪加担型のアルバイトなどが募集される。
10年ほど前から頻発した強盗仲間を募った暴力団員の事件を皮切りに後を絶たぬ凶悪犯罪の共犯募集。財布の中の小銭とキャッシュカード目当てに簡単に女性を殺した愛知女性拉致強盗殺人など記憶に新しいところだろう。
“闇の職業安定所”は現在、公安当局や警視庁などの監視下に置かれたためにアクセス不可となっている。運営者は、このサイトの復活は一切ないと、公言しているが類似するサイトが複数現存する。

某広域暴力団第三次団体に所属する成川氏(仮名、39歳)は、この通称・闇職を利用していた張本人だ。ヤクザのシノギは、原則、仲間同士で行うものである。
シャブにしろ、バクチにしろ、すべては組織単位で仕事を進め、若手は使いっぱしりの役回りしかまわってこない。だが、ヤクザ組織への就職者難が厳しくなったこのご時世。数少ない極道世界の担い手を簡単に懲役に飛ばすことなどできない。
 そこでインターネットが重宝した。ネットの世界は、彼らの仕事体系をも変えてしまったのだ。
いざ、ヤマを踏もうと思った場合、初心な素人を掲示板でスカウトし、そのまま使い捨てにしてしまえば、腹も痛まないのだ。
今日は、このアングラネット掲示板で募集されている危険な仕事とその中身を、実体験も絡めて話したいと思う。


一般人の罪悪感が薄れた時代

アンダーグランドの世界にはほぼ暴力団関係者の独壇場だった。
しかし、暴力団取締法の制定を始めとした当局などによる締めつけの強化により、空洞化したシノギ部分に多数のアウトロー以外の人間がなだれ込み、一般化したのだ。
どんなに刺激的なモノでもある程度の期間が経過すれば馴れてしまうもの。
それが、アングラに無縁だった一般人も安易にヤバイ仕事の誘いに乗るような土壌になった。
まさかインターネットなんかで使える捨て駒を拾えるとは思っても見なかった。
 しかし、9年前の夏。組の兄弟分から面白い話を聞いたのだ。

「おう、成川。おまえ、“闇の職業案内所”って知っとるか?」
「はぁ? なんじゃそれ?」
話を聞けば、主に家出少女が相手を探すカキコミや覚醒剤などの薬物や架空名義の携帯電話、銀行口座、免許証などの物品の販売も盛んに行われているサイトのようだった。
中にはいかがわしいサイトの宣伝や、更にはネットワークビジネスの勧誘等もある。
テレビや雑誌等で頻繁にサイト名が登場するためにアクセス数は日に1万アクセスを優に越す人気サイトとなる前のことだった。
「これなら、捨て駒を調達できるかもしれんぞ」
「モノは試しやのう。やってみるか……」
慣れないトバシ携帯をピコピコ触ってみると、それは姿を現した。

闇職は、携帯専用のサイトが主流で、求人と求職、裏と表、男性と女性、短期と長期などのカテゴリーに分類されている。
基本機能は掲示板で、毎日かなりの数のカキコミがされている。
カキコミを行っているのは、とても素人とは思えない。オレたちと同業の連中だろうか。
なんでも、そのヤバいカキコミに反応をみせるのはド素人らしい。オレたち犯罪プロとは、危険に対するセンサーの感度も対処能力にも、素人とは雲泥の差がある。
素人を貶めることなど、オレたちにとっては、赤子の手を捻るより簡単なのである。

実に簡単においしい思いができ、大金を稼げると考える輩が後を絶たないそうだ。
リスクをまったく考えず、まったくめでたい連中だと思った。どんな仕事をさせようか?
オレはひとまず、極力検挙を免れたいという思いから、明確に仕事内容を書かず、そのかわりに、隠語を使った。
隠語と呼ぶほどではないにしろ、判る人間には判る造語を利用したのだ。

携帯役者や口座役者でボロ儲け

【“携帯役者”募集】
携帯役者とは、一時期流行った、他人に成りすましたり、時には自分自身の名義で複数の携帯電話を契約する仕事のことだ。
役者は演じる人の事を指し、転じてアングラ系の仕事の中で演技が必要な仕事をする人の事を役者と呼ぶようになった。
役者はそもそも電話口での詐欺の際に色々な役柄の人間が電話口に出るところから生まれ、その後、広く使われるようになった。
反応はすぐさま2件もあった。
【即、金が必要なんですけど、“ケータイ役者”とは何をすればいいんですか?】

オレは携帯役者についての説明をメールで行い、最後に電話を入れた。
「料金が請求される事は一切ないんで、ご安心ください。何かありましたら、ワタクシ“神代”まで、お電話ください」
連中は、自分の名義で携帯電話を22台契約し、こちらに送ってきた。
ちゃんと約束のギャラを振り込んでやったが、このトバシ携帯が数百数千万の金を産む。
当時は、トバシ携帯電話は¥35,000から10万の値がつき、アングラの人種に購入されたり、出会い系サイトなどの利用者の間で重宝されてる。

(丸野裕行)

*闇職業の存在を知って巻き込まれないように注意しましょう。

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