「お客様」の本質を見極める

消費者の行動様式は時代に応じて大きく変化します。「消費は美徳」と呼ばれた昭和40年代には、新しい商品は作れば作るほど飛ぶように売れていきました。しかし、デフレという言葉が定着した平成以降、生半可な考えで新商品を出したところで消費者はそう簡単には踊りません。時代の変化を見逃さず、消費者の動きを的確に捉えるには、「お客様の本質」を見極めないといけません。


賢い「生活者の時代」

人口が着実に増加し消費が拡大した時代には、「マスマーケティング(大衆志向)」と「マスプロダクション(大量生産)」のもと、より多くの商品を販売するために商品の領域と種類を拡大することが最善とされていました。価格競争に打ち勝ち、客数を増加し、市場占拠率を高め、「規模のメリット」で「競争優位に立つ」ことが目標となっていたのです。
しかし、その考えは人口減少・超高齢化が進む今の時代には通用しません。
これからは、必要なものはほとんど保有し、情報を自由自在に使える、賢い「生活者の時代」です。お客様が期待することや困っていることがわからない、お客様の生活者としての顔をイメージできない会社を、お客様は必要としないのです。

お客様の「困っていること」「期待すること」を知る

スーパーマーケットに夕方訪れるお客様は、大半がその日の夕食の献立を決めていません。店に来てから、今日は何にしようかと考え始めます。これがお客様の「困っていること」です。そして、店内を眺めているうちに、「期待していること」を発見し、「こんなものが欲しかった」と買い物の楽しさを味わいます。

スマホもお客様の「期待」の具現化

ほんの数年前、出張に行く際には重装備が必要でした。携帯電話にデジカメ、ICレコーダー、移動中に音楽を聞くためのプレーヤーと再生するカセットテープ、さらに予備バッテリーや電源と、これだけで数キロありました。それが今やポケットに入るスマホと充電器があればほとんどカバーできてしまいます。
スマホが一気に普及したのは、「こんなのがあったらいいのに」という顧客の期待が形になったからに他なりません。
残念ながら、技術力が高いはずの日本の主要メーカーがスマホで主導権を取れなかったのは、「お客様の期待すること」を把握しきれなかった結果と考えざるを得ません。

参考書籍:大西肇著「『今はまだ小さな会社』が進化するための101の手がかり」(合同フォレスト刊)

    
コメント