人気ディスカウントストア「ドン・キホーテ」のビジネスモデル

1980年に安田隆夫氏が創業したディスカウントストアのドン・キホーテは不況下でも売上が伸び続け、5,000億円を突破しています。その秘訣は、従来の流通業の常識にとらわれない、「反則ワザの集大成」と言われるドン・キホーテのビジネスモデルにあります。


ドン・キホーテの特徴

ドン・キホーテの特徴は

  1. 深夜営業
  2. 圧縮陳列
  3. 現場への権限委譲

です。

1. 深夜営業

深夜営業と言えば、24時間営業のコンビニエンスストアが真っ先に思い浮かびます。コンビニの営業時間は、「必要な物が、いつでもすぐに買える」という顧客のニーズに応えたものです。これに対して、ドン・キホーテは正反対の戦略をとっています。実際にお店に行くと分かりますが、飲み会を終えた友達同士やカップルがブラブラと歩き回り、あれこれ言い合いながら「遊んでいる」場所なのです。つまり、「深夜にお祭の夜店を歩くような楽しい場所」という存在なのです。ですから、競合はコンビニではありません。カラオケ・居酒屋といった楽しく人と過ごす場所が競合なのです。

2. 圧縮陳列

「圧縮陳列」という独特の陳列方法も「店舗は見えやすく分かりやすくあるべき」、という原則と正反対の方法です。雑多なものが天井までびっしりと陳列されていて、商品は探しにくく見にくく買いにくく取りにくい熱帯雨林のジャングルの中を歩いているような気分になります。これこそが人々が集まるエンターテインメントの要素を生み出しているのです。

3. 現場への権限委譲

高級ブランド品の近くに日用雑貨が置いてある、そんな意外性が何度も人を来店させる秘訣になっています。テレビなどで話題になっている商品も必ず見つかるのも特徴です。これは、現場への権限委譲を行っていることの成果でしょう。ドン・キホーテは、お客さんのニーズにスピーディに対応するために、各コーナーを現場の社員に任せ、小さな商店街のような仕組みをとっています。予算や値付けや仕入れもすべてコーナーの担当に権限を委譲することによって、社員は各担当コーナーの「商店主」になります。そしてあたかも仕事がゲームのようになり、これによって現場の社員もやる気が出るという効果があります。

仕事をゲーム化しているのもドン・キホーテの強さの秘密

「仕事」を「ゲーム」にするポイントとして

  1. 現場への大幅な自由裁量
  2. 最小限のルールの設定
  3. 結果に対するシンプルで明確な勝敗判定
  4. 半年というタイムリミットの設定

が挙げられます。これはチェーンストアの本部が棚の売上状況をシステム監視して常に自動補給するのと正反対の仕組みです。こうした中央集権的なシステムは、顧客の新しいニーズを捉えるまでに時間がかかる、あるいは売られていない人気商品を把握できないという問題があるのです。これまでの小売の常識の正反対をいくドン・キホーテですが、現場の社員の活性化を図り顧客ニーズを常に把握することで、大きく変化する消費スタイルに対応しているのです。

ビジネスモデルを考える上で、ドン・キホーテのビジネスモデルは参考になります。

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参考本

「成功企業31社のビジネスモデル超入門!(平野敦士カール)」

    
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