「カミソリと刃」のビジネスモデル【ジレット、iTunes、コピー機】

「カミソリと刃」型のビジネスモデルは、髭剃りの本体を安く売り、替刃を継続的に販売するというジレット社のモデルが成功して有名になり、「カミソリと刃」型のビジネスモデルと呼ばれています。世の中には、様々な「カミソリと刃」型のビジネスモデルが存在します。


コーヒーとコピー機の関係

消耗品で収益を上げるネスプレッソ会社でコーヒーを飲む機会よくありますよね。カプセルをガチャンと入れるネスプレッソマシンを利用することが多いでしょう。実はこのコーヒーとコピー機は同じようなビジネスモデルです。

コピー機のビジネスモデル

コピー機のビジネスモデルは、本体はリースして、紙とトナーを買わせることで利益を上げます。市販のプリンターも本体は安いですが、インクは高いですよね。市販のプリンターもインクで利益を得ています。

ネスプレッソはコピー機と同じビジネスモデル

ネスプレッソはネスレという会社がやっているサービスですが、家庭や会社にネスプレッソマシンを売って、粉をカプセル化してます。そうすると、マシンを買った家庭や会社は、継続的にカプセルを購入する仕組みになっています。ネスレは、従来はインスタントコーヒーだけを販売していたのですが、スターバックスのような薫り高いおいしいコーヒーを飲みたいという人や、エスプレッソが飲みたいというコーヒー愛好家たちを取り込めなかったのです。

ネスレが考えたコーヒーの原則は2つありました。1つは、カップ1杯が常に新鮮なコーヒーであること。2つめは、好きなコーヒーを選べるということ。この2つの原則を守りながら、考えついた新しいビジネスモデルが、1986年に生まれたネスプレッソです。

しかし、ネスプレッソは10年以上もまったく流行しませんでした。当初、非常に価格が高く、企業向け販売が中心でした。ところが、2000年、パリに消費者がネスプレッソを体感できるおしゃれな直販店舗(ブティック)をオープンしてから、急速に売上が上昇したのです。今では、全世界で200店舗近くブティックを展開しています。

従来コーヒーを売っていた会社が、いきなり電化製品までをつくって市場参入するというのは非常に大変なことでした。しかしようやくおしゃれなブティックによる直販で消費者の心をつかみ、今では、テレビやインターネット経由で一般消費者に販売して成功しています。

iPhoneとカミソリと刃の逆のビジネスモデル

iTunesで本体を売るappleの音楽は、appleのiTunesストアでダウンロードします。今や、音楽はダウンロードして聴くのが当たり前になりました。iPhoneとカミソリは、実は逆の関係なんです。カミソリは、カミソリ本体を安くして替刃を継続的に売るビジネスモデルです。

それに対して、apple社の収益の8割以上はiPhone・iPod本体というハード販売からの利益です。つまり、iTunesストアという音楽をダウンロードできるサイトをつくり、ほとんどが99セント以下という安い値段で販売することによって、本体の魅力を増したのです。

つまり、魅力的な替刃をなるべく安く売ることによって、高価なカミソリ本体の魅力をアップして成功したモデルです。でも、それじゃ一度販売したら収益は終わりです。そこで、携帯電話会社と提携してその通話料の一部を得るiPhoneを発売したり、機種もモデルチェンジを常に行って買い替えを促しているのです。

今後は、音楽や電子書籍などのコンテンツの価格を上げることによって、販売手数料や決済手数料で収益を上げていく可能性もあります。

amazonも、電子書籍端末kindleを発売しましたが、これも同じようなビジネスモデルと言えそうですが、「カミソリと刃」型になるか、逆「カミソリと刃」型になるかは、今後の展開次第といえます。ただし、アメリカのアマゾンには、書籍や電子書籍がたくさんあり、kindle本体も安いため「カミソリと刃」型といえそうです。

「カミソリと刃」のビジネスモデルは、多くの商品に採用されているビジネスモデルです。様々なビジネスモデルを理解することで、新サービスや新商品開発の幅が広がります。

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参考本

「成功企業31社のビジネスモデル超入門!(平野敦士カール)」

    
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