iphoneはなぜ成功したのか? アップル社ならではの経営戦略

日本だけでなく世界でも大きなシェアを誇るアップル社のiphone。なぜiphoneはここまで成功したのでしょうか? それはアップル社独特の製品開発戦略に秘密があります。


■携帯電話のマルチボタンをシンプルにしたい

iPhoneの開発で、アップルはマルチボタンの考え方に正面攻撃をしかけました。その理由のひとつは、純粋に心理的なものでした。長年、人々がたくさんのボタンがついた携帯電話を使ってきた状況で、iPhoneはシンプルさを叫んだのです。iPhoneを握って、親指でひとつだけあるボタンを操作するのは心地よいですよね。同時に、どれほど操作しても、同じボタンを押せば安全なホーム画面に戻ってこられるのは安心できます。

■なぜiphoneのボタンは1つなのか?

ユーザーがiPhoneでもっとも利用する機能は、インターネット、電話、iPodの3つでした。3はとても小さな数字です。だから設計のときに、ボタンをひとつではなく、美しいボタンを3つつければいいではないか、という考えが出てもおかしくありません。そうすればこの3つの機能に早くアクセスできますし、ボタンが3つでも、従来のスマートフォンに比べれば改良されたことにもなります。しかし、iphoneのボタンは1つな理由はひとつだけです。

「3は1よりも多い」

■アップルはネーミングを大切にする

アップル社のスティーブ・ジョブズはネーミングにおいてもシンプルさを重視したので、最終決定の前に多くの候補を検討するのが普通です。iPhoneという名前は単純だから、簡単に決まったのだろうと思うかもしれません。しかし、念には念を入れたことと、その名前に法的問題があったために、多くの候補名が検討されたのです。

製品名を決めるときにアップルは「常識」を大いに活用します。それは劇的な名前にするためではありません。iPhoneは人々を跳びあがらせる名前ではないが、信じられない量の感覚を生みだします。iMacやiPod, iPhotoなど「i」のつく製品のあとに作られたので、アップルの製品であることがすぐにわかるのです。そして、「Phone」はそれが革命を起こそうとするカテゴリを完璧に表しているのです。

■「Mac」、「i」ネーミングの一貫性

ネーミングについて、アップルは「常識」のほかに一貫性も守っています。コンピュータにはすべて「Mac」の名前を入れています。iMac、Mac Pro、MacBook Air、MacBook Pro。「i」はアップルの家庭用デバイスである印で、その製品や製品カテゴリを表す語の前につきます。アップルの主要製品のネーミング構造は、現在の顧客と潜在顧客にわかりやすい簡単なものです。そして、人々はアップルの製品名を言えばいつでも、それを作っているのがアップルだとわかるのです。これは信じられないほど強力な概念で、究極のシンプルなやり方です。しかし、製品名においてこれだけのブランドパワーを獲得した企業はほとんどありません。

■関連のないネーミングは認知が難しい

一方、デルの製品名はまったく関連のない世界からつけられます。インスパイロン、ヴォストロ、XPS、オプティプレックス、プレシジョンなどです。新製品をラインアップに加えるたびに、デルはその名前をユーザーに認知してもらうのに苦労します。時間とともに一部の製品名は認知されるが、製品名同士に関連性はないし、デルのブランドとも関連はありません。アップルのようにユーザーがすばやく名前を覚えることはないのです。

■細部にこだわるスティーブ・ジョブズ

スティーブ・ジョブズは、芸術家の感性を持っていたし、細部にもこだわりました。スティーブが一文字の使い方を議論したのは、自分の思いどおりにするためではなく、それを大切だと思ったからです。スティーブにとって大切でない細部などなかったのでしょう。製品名を決めるときにスティーブは広告代理店の提案だけでなく、アップル社内の意見も聞きます。スティーブはアップルが持っているネーミングの枠組みと一致した名前を求めたが、芸術的要素でも妥協はしません。耳に響きのいい名前でなければならなかったのです。「iMovie」というわかりやすい名前を決めるときでさえも、数週間もさまざまな候補名が何メガバイトも飛びかったのだ。

アップルは、顧客にシンプルなメッセージを伝えることに関しては情け容赦しないのです。アップルが作るすべての製品で、アップルが選ぶすべての言葉で、それが実践されています。

iphoneが成功したのは、アップルならではの経営戦略にありました。アップルやスティーブ・ジョブズの考え方を知ることはビジネスで大きな役に立ちます。参考にしてみてはいかがでしょうか?

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