シェアナンバーワンを目指す経営戦略「ランチェスター戦略」

ランチェスター戦略は、1970年代、松下幸之助をはじめとする当時の企業のトップやミドルに大きなインパクトを与え、爆発的な勢いで普及した競争戦略論であり、経営戦略、マーケティング戦略策定のための、独自のフレームワーク思考法です。シェアナンバーワンを目指す経営戦略「ランチェスター戦略」を紹介します。


■ランチェスター戦略とは

ランチェスター戦略は、絶対的に有利な立場にあるのは、「シェア・ナンバーワンの商品だけである」との認識をもとに、つぎの3つの競争原則の実行を基本としています。

1. ナンバーワン主義

マーケットを細かく分け、小さくてもナンバーワンになれる、得意分野を見つけ、それを起点に、ナンバーワンの領域を広げていく。

2. 競争目標と攻撃目標の分離

競争目標は、自社とシェア率がほぼ同じか、若干上にある商品。攻撃目標は、自社よりシェア率が低い商品の顧客。

3. 一点集中主義

数ある攻撃目標から、ひとつを選び、もてる力をそこに集中して、決定な実績をあげていく。自社の次にシェアが低い商品の顧客の奪取が基本。

■ランチェスター戦略の基本となっているランチェスター法則

ランチェスター法則は、交戦する2つの戦闘部隊の戦闘力は、兵が戦う相手を特定して戦う一騎打ちでは兵数に比例するが、互いに不特定多数の兵に機関銃を乱射する集団戦闘では、兵力の2乗に比例することを示しています。

■兵力に劣る弱者は一騎打ち、優れる強者は集団戦闘で戦うべき

同じ武器をもつA軍10名とB軍7名が戦う場合、戦闘力は、一騎打ちでは10対7ですが、集団戦闘では10対49となります。そこで、B軍が一騎打ちでA軍に勝つには、武器の性能を、約1.4倍以上にすればよいでしょう。しかし、集団戦闘なら4.9倍以上にしなければなりません。

また、集団戦闘の場合、兵力を分散させれば、戦闘力が低くなります。たとえば、A軍10名を5名ずつに分ければ、戦闘力は「5+5=50」と半減してしまいます。「集中の威力と分散の危険」がわかります。ここから、ランチェスター戦略では「兵力に劣る弱者は一騎打ち、優れる強者は集団戦闘で戦うべき」ことをすすめています。ランチェスター戦略は、集団戦闘を確率戦とよび、弱者は訪問販売などの一騎打ち、強者はチラシやメディアなどを使った確率戦を原則とすべきとしました。

■ランチェスター戦略における競争優位の条件

ランチェスター戦略では、シェア42%以上が競争優位の条件であることを示しています。市場占拠率による競争戦略が変化します。

■市場占拠率目標数値モデル

拠点目標値3%
存在自体が無視されるが、なんとか存在できる。

存在目標値7%
存在が競合社として認められる。

影響目標値11%
存在がマーケット動向に影響を与え、注目される。

上位目標値19%
弱者のなかの相対的強者。伸びるか、落ちるか不安定。

下限目標値26%
弱者と強者の境目。トップになることもあるが不安定。

安定目標値42%
安定的な強者の位置。独走態勢に入る。

上限目標値74%
絶対的な独走状態

ランチェスター戦略は、厳しい状況で、これからの企業を支えていくために役立つ経営戦略です。ランチェスター戦略を学び、シェアナンバーワンを目指しましょう。

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