ユニクロ大量廉価販売を可能にするノウハウ。メーカーと製造小売の経営戦略

アパレル業界で躍進を続けるユニクロ。その強さの理由に、大量廉価販売のノウハウがあげられます。メーカーと製造小売がとるべき経営戦略とともに紹介します。


■メーカーとは

「売れる商品を売る」ことを基本とする流通業と対照的に、メーカーは「こういった技術で、こういった商品を作れば、こういった人々に、これだけ売れるはずだ」というアイデアをもとに、技術や商品を開発し、生産し、発売しています。

発売までに大きな先行投資が必要であり、メーカーは新商品がすぐに売れずとも、何とか売ろうと努力します。何年もかけて販売、改良に努力することもあります。メーカーにとって商品は育てていくものであり製品と呼びます。

■メーカーには狩猟民族の感覚が必要

メーカーにとって、技術が顧客層を決めるのであり、顧客層が技術を決めるのではありません。自社の設備や技術を用いれば、新たな顧客層にも売れる商品が開発できると判断すれば、それを新たなターゲットとした商品の開発、販売を試みます。顧客層を絞った商品をいろいろ開発しますが、それは顧客層を増やすためであり、全体の顧客を絞り込むためではありません。このような消費財メーカーの行動特性は狩猟民族そのものです。

■製造小売はバランス感覚が大切

製造小売りは、メーカーに分類すべきですが、純粋のメーカーほどの商品へのこだわりはなく、そうでないと在庫の山で経営が悪化してしまうため、かなりのバランス感覚が必要となります。アパレルメーカーでは、ユニクロのファーストリテイリング、コムサデモードのファイブフォックス、イトキンなど、製造小売りが目立ちます。ワールド、オンワード樫山、バーバリーの三陽商会なども、その業態へ移行しつつあります。

■ユニクロ大量廉価販売を可能にするノウハウ

ただし、ユニクロの大量廉価販売は、大胆かつ的確な商品アイテムの絞り込みによりはじめて可能となります。しかし、その絞り込みは、単品管理システムからはじきだされる過去データをいくら分析してもできるものではありません。卓越した直観力と思考力と決断力をもつ人間が、数々の試行錯誤、ひいては失敗の経験を積みかさねることではじめて実現する極めて高度なノウハウなのです。それは、ビジネススクールでは絶対に教えることができず、数十年の経験をもつ人間にとっても習得困難なノウハウです。

ユニクロ大量廉価販売を可能にするノウハウは、数々の試行錯誤のすえに生まれています。経営戦略は、業種・業態の本質的な特性の違いをふまえて構築しないと、的外れになるので、気をつけましょう。メーカーと製造小売の経営戦略を紹介しました。

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