森ビル「六本木ヒルズ」の都市戦略

六本木といえば、現在は六本木ヒルズ、ミッドタウンなど人気の都市となっています。以前は高低差のある住宅地であった六本木一帯を再開発し、森ビルが六本木ヒルズを開発しました。今回は、森ビル「六本木ヒルズ」の都市戦略を紹介します。


■夜の街のイメージを変えた六本木ヒルズ

六本木ヒルズが目指したのは「昼も夜も人が集まり、賑わいのある街」でした。それまで「夜の街」の印象が強かった六本木ですが、六本木ヒルズができたことにより、昼でも多くの人が訪れるようになったのです。そのため、オフィスにはゴールドマン・サックスやリーマンブラザーズなどの外資系企業や楽天、ヤフー、ライブドアなどの当時花形といわれたIT企業を誘致しました。

■ブランドイメージ戦略

また高級賃貸マンションタワーを作り、外資系企業に勤める国内居住者や都市でのライフスタイルを楽しむ人々が住むことを想定しました。さらにはテレビ局、ホテル、映画館、220のショップやレストラン、美術館、展望台、豊富なアート、図書館などの文化施設も集積させました。

特にショップやレストランは、通常の不動産賃貸のような固定のテナント賃貸料方式だけでなく、お店の売上に連動する賃貸料システムも導入しました。そしてお店の入れ替えは森ビルが主導で実施し、ゾーニングなどを行っています。

まさしく森ビルはプラットフォーマーとして、つねに観光客や買い物客、ビジネスパーソンが交流するような「仕組み」をコントロールしているのです。

また建物の作りも迷路のようにして、さながら冒険をしているような感覚にさせる工夫をしています。それによって「セレンディピティ」と呼ばれる偶然新しい店や好みの店を見つける感覚を買い物客や観光客に抱かせる効果をもたらしています。これによって、各グループの交流を促進しているわけです。

ショッピングモールなどでも、エスカレーターを上がっていく際に建物内のさまざまな店を見ることができる作りになっているところがありますが、これも同様の考え方でしょう。

こうして森ビルはそのブランド・イメージを作り出すことに成功しました。ただ、その後のITバブルの崩壊やリーマンショックなどによってそのブランドイメージの維持が岐路に立っているのも事実です。六本木ヒルズは、外部ネットワークの影響をつねにリスクとしてコントロールする必要性を認識させてくれます。

「六本木ヒルズ」の都市戦略は、サービス設計の参考となります。

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