どうしてSONYのPS3は失敗し、任天堂のWiiは成功したのか。成功を分けたゲーム機種業界の経営戦略

普段、テレビゲームはやらないという人でも任天堂のWiiならやった経験がある人はいるんじゃないでしょうか。けれども、同様の家庭用ゲーム機、PS3をやったことがある人はそんなにいないのではと思います。かつてゲーム業界で圧倒的な存在感だったSONY(ただし、ここではSCE)がPS3で失敗した一方で、どうして任天堂がWiiやDSなどで成功を収めることができたのでしょうか。成功を分けたゲーム機種業界の経営戦略から、PS3の失敗要因と、Wiiの成功要因を考えてみます。

■高すぎた価格設定

PS3の初期20GB型モデルは62,970円とかなり高価な値段設定でした。これでも、当時のSONY副社長は「安すぎたかも」と発言しています。というのも、それまでSONYはハードを安く、ソフトを高くしてトータルで収益をあげるモデルをとっていました。ハードで損をするモデルを変えたかったSONYはハードの値段を上げる路線に踏み切りました。

そのため、PS3はゲーム機ではない別次元のものだと宣伝していました。けれども、結局、「安すぎたかも」の発言から4ヶ月後には49,980円に値下げを発表しました。苦肉の策として、それまでどおりただのゲーム機として販売することにしたのでした。

■見通しの甘さ

「発売日に売れる台数」でゲーム機は決まるというのに品薄状態となってしまいました。というのも、発売初日の国内の出荷台数は、PS2の10分の1にあたる、たったの80,000台だったからです。そのほかにも中国人客が発売当日に購入したために日本の一般ユーザーに届かなかったり、数が少なかったためにオーションで20万円の値がついて、転売屋たちのエジキとなってしまいました。

以下の本は、このようにPS3の失敗した理由が書かれた1冊です。特にSONYの戦略面での失敗が書かれています。次に、SONYとは違った戦略で成功を収めた任天堂のWiiについて紹介している1冊です。

「プレステ3はなぜ失敗したのか?(多根 清史)」の詳細を調べる

■機能を捨てたWii

任天堂は、ゲームの高機能化に疑問を感じ、「あれもつけてこれもつけて」という発想ではなく、「これとこれはいらない、これは“使いやすい”ゲームに必要だから残す」という消去法の発想のもとに開発を進めました。そのため、高速高精度は追求せずに、シンプルなローテクへの転換を図ったWiiが開発されました。

■明確なコンセプト提示

ゲームは「もっと楽しく、みんなでわいわい言いながらやるもの」であるという4代目社長・岩田聡の考えの下、Wiiの開発に着手しました。高機能化を追求し、いろいろな要素を詰め込みすぎて、コンセプトが弱くなってしまうゲームがある中、みんなで楽しく遊ぶパーティー要素という一つの尖った部分を強調することで、Wiiは明確なコンセプトを打ち出すことに成功したのでした。

SONYと任天堂は双方ともにゲーム会社ですが、いろいろな経営戦略をとっています。こちらは任天堂の社風を知る上でも参考になる1冊になっています。先に紹介した本と合わせて、読みたい2冊となっています。

「任天堂Wiiのすごい発想―技術競争を捨てて新しい市場開拓に成功(溝上 幸伸)」の詳細を調べる

    
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