決算書の基本。損益計算書と貸借対照表

決算書とは、損益計算書と貸借対照表のことを指します。今回は、決算書の基本である損益計算書と貸借対照表のポイントを紹介します。


損益計算書

決算書の中心的な存在は、損益計算書です。損益計算書とは、その名のとおり、その企業の「利益」を計算しています。一般的に「利益」とは「儲け」のことで、

企業が黒字なのか赤字なのか?
儲かっているのか儲かっていないのか?

という話の際には、ほとんどの場合、この損益計算書で計算された「利益」のことを指しています。しかし、「損益計算書」の「利益」というのは、いくつかの会計ルールに従って計算されたものですから、その計算の前提となるルールを知っておく必要があります。

損益計算書は期間損益計算

まず重要な点は、損益計算書の利益計算は、「期間損益計算」という計算方法がルールとして定められていることです。すべての会社は、少なくとも1年に1回は利益を計算しなければならないことが法律で定められていますので、会社はその法律に従って、利益を計算するための計算期間を自分で決めておかなければなりません。

「決算日」というのが、期間利益を計算する計算期間の締め日を表しています。決算日が3月日であれば、損益計算書の利益計算は、4月1日から3月日までの1年間を対象とし、その1年間の利益を計算することになります。損益計算書は、毎年毎年の利益だけを計算するということです。

損益計算書は発生主義会計

次に重要なルールは、利益を計算する場合に、現金や預金といったお金の増減ではなくて、経済的な価値の増減に基づかなければならないというルールです。

例えば、代金後払いの約束で商品を売った場合、まだ販売代金を受け取っていないとしても、「儲かった」と考えなければいけないということです。このようにお金の収支を離れて、利益を計算する方法のことを「発生主義」と呼びます。

損益計算書は費用収益対応の原則

損益計算書の利益計算には、面倒なルールがあります。それが、「費用収益対応の原則」です。例えば、商品を100個仕入れて、その代金を支払ったとしましょう。商品100個分のお金は、すでに使っています。そして、その商品のうち30個が、売れ残ったとしましょう。この場合の利益計算は、売れた分の個の仕入代金のみが費用となります。売れ残った個分は費用にならないんです。

この「費用収益対応の原則」は、費用は、売上に対応するものだけに限定するというルールです。だから、売れ残った商品は、売上にかかわっていないものとして、費用にすることができません。

次に貸借対照表の基本を説明します。

貸借対照表は資産表

貸借対照表とは、「会社の財産目録」です。会社は、最初に事業資金を調達してスタートしますが、「ファーストペイの原理」に従って、事業に必要なさまざまなことにお金を使っていきます。そうすると、お金は、材料になったり、設備になったりと、別の財産に姿を変えていくことになります。

そこで貸借対照表は、お金がどのような姿に変わっているのかを示すために、財産一覧表を作成することになっています。このような会社の事業用の財産のことを「資産」と呼んでいます。例えば、在庫、車、さらには店舗の設備も「資産」です。

一方、会社が資産を持っているということは、それを手に入れるための資金をどこからか調達してきたことになりますので、「資産」だけではなくて、その「お金の出所」も明らかにすることになっています。

この場合、自分で用意したお金のことを「純資産」と言い、他人から借りてきたお金のことを「負債」と言います。当然ながら、「純資産」は返済不要の調達であるのに対し、「負債」は、いずれ必ず返済しなければならない義務がありますので、「純資産」と「負債」とは区別しなければなりません。

「どのように事業資金を調達したのか」を「負債」や「純資産」として示し、「どのように事業資金を運用しているのか」を「資産」として示しています。このため、貸借対照表の「純資産」や「負債」は、「資本の調達源泉」と言われ、「資産」は「資本の運用形態」と言われています。「資産」の合計金額と、「負債」と「純資産」を合計した金額は、必ず一致します。

決算書で大切な損益計算書と貸借対照表の基本をおさえると、会社の財務分析ができるようになります。決算書は難しい用語に圧倒されてしまいますが、まずは基本から少しずつ見方を覚えることが大切です。

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