「子会社」と「関連会社」の違い

財務諸表を理解する際に、「子会社」と「関連会社」の違いがよくわからない人が多いのではないでしょうか? 今回は、「子会社」と「関連会社」の違いについて説明します。


少数株主持分

少数株主持分は連結財務諸表に特有の項目で、「純資産」の一項目として取り扱われています。少数株主持分は100%でない子会社が存在するときに、項目として現れます。少数株主持分を理解するためには、「子会社」という概念を理解する必要があります。

子会社

「貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の各勘定科目を、原則としてすべて合算する先」を子会社と言います。

例えば、親会社が現金10億円、子会社が4億円持っていれば、連結貸借対照表の現金勘定は14億円となります。親会社の有利子負債が0でも、子会社が10億円の有利子負債を抱えていると、連結では10億円の有利子負債が記載されます。

「各感情項目を、原則としてすべて合算する」とありますが、原則には例外があります。その例外は「親子間の取引は相殺する」ことです。

例えば、親会社が子会社にお金を貸し付けている場合には、親の貸借対照表の資産の部には「子会社貸付金」、子会社の負債の部には「親会社からの借入金」が計上されますが、グループを1つの会社とみれば内部取引ですから相殺されます。親子間での売買も、一方の売上高、一方の仕入れですから相殺されます。

このように、子会社とは「親子間の取引を相殺した上で」「すべての取引を合算する先」を言います。

100%でない子会社がある

子会社の中には持分が100%でない子会社もあります。51%の議決権を有していても子会社なんです。

また、取締役会の過半数を支配していれば、場合によっては40%程度の議決権の保有でも子会社とみなされます。こうした場合、親会社以外の株主を「少数株主」と呼びます。少数株主が多数いる場合もあります。

100%の議決権を親会社が保有しない子会社の純資産を考えた場合に、純資産は株主のものですから、それには親会社に帰属する部分と少数株主に帰属する部分があることになります。連結に際しては、子会社の純資産のうち、親会社に帰属する部分は親会社の投資勘定と相殺されますが、少数株主に帰属する部分が相殺されずに残ります。これが少数株主持分です。

関連会社

子会社に対して、50%以下の議決権を有する先などの「関連会社」があります。関連会社は、原則「持分法」といってその持分の損益だけが損益計算書の「営業外損益」に計上されます。

たとえば、30%の議決権を有する関連会社が10億円の純利益を出していれば、連結損益計算書の営業外収益のところに、「持分法による投資利益」として3億円(10億円×30%)として計上されます。関連会社に損失が出ている場合には、営業外損失のところに「持分法による投資損失」として計上されます。

子会社なら原則、すべての勘定科目が合算されるのに対して、関連会社の場合には営業外損益にしかその内容が反映されません。

意図的な連結外しに注意!

2000年3月期以前の「50%超の議決権を持つこと」という子会社の判定基準では、負債の多い子会社を抱える企業の場合、議決権を49・9%にするなどして「連結外し」をするケースも見受けられましたが、先に少し触れた取締役会を支配するなど「支配力」基準に変わったおかげで、連結外しは少なくなりました。

それでも、意図的に連結を外すケースもあるため、大きな負債を抱える子会社などが連結を外れる場合などには注意が必要です。なぜなら、子会社でなくなっても、負債の返済などで元の親会社が実質的に責任を持たなければならない場合もあるからです。関連会社の倒産で、元の親会社も影響を受けるといったこともあるからです。

特に、現在のような景気後退期には、親の財務内容も悪くなりがちなため、内容の悪い子会社の連結を外し関連会社とすることを考える会社もあると考えられますから、注意が必要です。

「子会社」と「関連会社」の違いを理解して、財務諸表にもっと強くなりましょう。

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