社長の給料は安易に上げてはいけない!

ある社長さんからの相談その1です。
「大型受注に成功し、来期600万円くらい利益が出そうです。
税金を払いたくないので、自分の給料を50万円上げて100万円にしようと思うのですが……」
これは正解? 間違い?


大間違い! そんなバカなことはやめなさい!

社長の特権は自分の給料を自分で決められることです。ですから、会社が儲かっていれば、自分の給料は月100万円でも200万円でもかまいません。 
したがって、来期600万円くらい利益が出そうだから、月々の給料を50万円ずつ上げて(12 か月で600万円)、会社の利益をゼロにし、法人税を払わないようにしようという気持ちも、わからないではありません。

落とし穴は社会保険料

しかし、発想が安直すぎます! なぜなら、給料をたくさん取れば取るほど、社会保険料(健康保険と厚生年金と介護保険(40歳~ 64歳)や所得税、住民税が膨大にかかってくるからです。
特に、社会保険料は払った給料に対して、個人負担分(約 15 %)と会社負担分(約 15 %)を合わせて約 30 %と、じつはかなり高額なのです。

給料増えても社保が倍増

現在、月額 50万円の給料を50万円アップして月額100万円にしたとすると、
・個人負担の社会保険料が年間約135万円
・所得税が年間約122万円
・住民税が年間約 80万円 
で、合計337万円が社会保険料と税金で持っていかれることになります。
さらに、社会保険料の会社負担分(個人負担分と同額の135万円)がありますので、これをプラスすると合計472万円も社会保険料と税金で持っていかれてしまうのです。

社長が低給なら会社負担も減る

では、給料を現状の 50万円のままにしておくとどうなるかというと、
・個人負担の社会保険料が年間約 89万円
・所得税が年間約 20万円
・住民税が年間約 30万円
で、合計139万円。 これに社会保険料の会社負担分(約 89万円)をプラスすると合計228万円。

差額244万円が社保と税金に

つまり、給料を600万円アップして年収1200万円にしたことで、会社と個人で納めなければいけない社会保険料と税金の額は、244万円(=472万円―228万円)も増えてしまうというわけです。

【まとめ】

・儲かったら給料を上げ、利益をゼロにしたほうがトクな気も……それは大間違い!
・経営者は社会保険料と税金を、会社と個人の両方で支払う義務があります。
・社保と税金が後からのしかかってくる結果に。複雑なお金のしくみは広い視野で考えなければならないのです。

★ 参考図書『今すぐ社長の給料を半分に下げなさい』泰文堂(リンダパブリッシャーズ)

著者:西浦雅人(にしうら・まさと)

    
コメント