「ある程度儲かったら法人化」も大間違い!

フリーランスが増えている昨今。
個人事業主が会社を作って法人化する「法人成り」は、したほうがトクなのでしょうか、ソンなのでしょうか?多くの個人事業主の疑問や不安に、「天使の節税術」が名答します。


昔に比べて高い社会保険料を見落とすな

一人ひとり状況が違うので、法人成りが得か損かは一概には言えませんが、一つだけ確実に言えることがあります。
それは、昔に比べて社会保険料が高くなっているため、法人成りをして会社から今の所得と同じ額を給料でもらうようにすると、社会保険料をかなり納めなければいけなくなるということです。

個人事業主の場合

たとえば、現在1200万円の所得がある個人事業主の場合。
国民年金は所得に関係なく月額16260円なので、年間で約20万円です。国民健康保険は、所得が1200万円ならほぼ上限額になり、年間70~80万円でしょう(地域によって差があります)。
したがって、所得が1200万円の個人事業主の国民年金と国民健康保険は、合計で年間約100万円です。

同じ収入でもこんなに負担増

次に、法人成りをして年間1200万円の給料をもらうようにした場合の社会保険料ですが、個人分だけでなく会社分もありますので、合わせると年間270万円(個人負担135万円+会社負担135万円)。 
つまり、これだけで一気に170万円もの負担増になるというわけです。

個人事業を営む鈴木家の例

ありがちな事例をご紹介しましょう。家族4人で個人事業を営んでいるという鈴木さんのケースです。
・父親(58歳)【所得720万円・国民健康保険税80万円・国民年金20万円】
・母親(57歳)【給与600万円・国民年金20万円】
・長男(32歳)【給与480万円(月40万円)・ 国民年金20万円】
・次男(30歳)【給与480万円(月40万円)・国民年金20万円】
国民健康保険税の合計は、家族全員で80万円(自治体によりますが、国民健康保険税の家族全員分上限は80万程です)。国民年金の合計も、家族全員で 80 万円(20万円×4人分)。
国民健康保険税と国民年金の合計は160万円になりますね。

家族全員で500万円の大損に!

では、法人成りをして株式会社鈴木になった場合、どうなるでしょうか。健康保険と厚生年金を、個人と法人の合計負担額で記載すると、次のようになります。
・父親(58歳)【所得720万円・健康保険81万円・厚生年金128万円】
・母親(57歳)【給与600万円・健康保険69万円・厚生年金109万円】
・長男(32歳)【給与480万円(月40万円)・健康保険49万円・ 厚生年金89万円】
・次男(30歳)【給与480万円(月40万円)・健康保険49万円・厚生年金89万円】
健康保険の合計は、家族全員で248万円。厚生年金の合計は、家族全員で415万円。
健康保険と厚生年金の合計は、なんと663万円になるのです。

10年で5000万円の差が出る

このように、個人のままでいた場合の方が、健康保険・年金関係で503万円(=663万円―160万円)もトクということになります。
「こんなに差が出ることを知っていたら、個人のままでいたのになー」という方も多いのではないでしょうか?
  10 年で5000万円もの差が出ます。法人成りを検討する場合は、社会保険料のことを念頭に置いたうえで、慎重に検討することをおすすめします。

【まとめ】

・個人事業主が法人成りをすると、社会保険料が跳ね上がる。
・4人家族の個人事業を株式会社にするだけで、あまりに大きな負担増! ご存知でしたか?
・昔に比べて法人化がしやすくなりましたが、こんなに意外な落とし穴があったのですね。法人成りは、ぜひ慎重に。

★ 参考図書『今すぐ社長の給料を半分に下げなさい』
著者:西浦雅人(にしうら・まさと)

    
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