変化に強い組織の特徴、変化に弱い組織の特徴

新しいプロジェクトのリーダーに任命され、メンバーを好きに選んでいいことになったとします。こちらの指示に文句を言わずに黙って従ってくれる部下と、何かと反抗して動こうとしない部下。5人のチームを組むとしたら、どのようなバランスでメンバーを選びますか。

このように質問すると、「文句を言う部下は一人もいらない。五人全員、リーダーに従う優秀な部下がいい」と答える人がほとんどです。本当にこのチームは強いチームなのでしょうか? 変化に強い組織の特徴、変化に弱い組織の特徴について考えてみましょう。


イエスマンのチームは危険

このバランスは危険です。全員がリーダーのイエスマンになると、チームがとんでもない方向に進む恐れがあります。五人のチームなら、少なくとも一人か二人はリーダーに反対意見を言える人を入れるべきです。異質な人をバランスよく入れることで、チームに活力や適切な緊張感が生まれます。イエスマンは危険な存在といえるでしょう。

まわりをイエスマンで固める2つのリスク

一つはモラルの低下です。周囲に自分を咎めてくれる人がいないと、考え方が独善的になりやすく、わがままのし放題になります。典型的なのが、大王製紙の三代目が起こした2011年の事件でしょう。創業一族の御曹司は、グループ会社から不正に巨額の借り入れをしました。その額は約55億円。それだけの額を用立てるのは大変だったはずですが、グループ会社の幹部たちは三代目に対して何も言えませんでした。まわりにイエスマンしかいないと、本人が勘違いしてこうした事件も起きるのです。

もう一つは、変化に対応できずに時代に取り残されてしまうリスクです。マーケットは絶えず変化します。その変化をいち早く察知して、最適な戦略を生み出すことがリーダーの役目です。ところがまわりをイエスマンで固めているリーダーのところには、現場の情報がなかなか上がってきません。上がってくるのは、現状を肯定する情報ばかり。それゆえ変化への対応が遅れがちになります。情報がきちんと上がってきたとしても安心できません。

イエスマンばかりの集団は、みんなが同じ方向を向いている同質集団です。同質集団はみんな考え方が似ていて、何か問題が起きたときに出てくるアイデアもほとんど同じです。だから環境が変化して一人がコケれば、他のみんなもコケてしまう。集団としての柔軟性がないのです。

変化に強いのは多様性がある集団

変化に強いのは、一人一人が個性的で、全体として多様性が保たれている集団です。集団として多様性があれば、環境が変化して従来のやり方が通用しなくなっても、誰かが「こういうやり方はどうだろう」と新しいアイデアを出してくれます。違う価値観の人同士で集まることでオプションが増え、変化にも対応しやすくなるわけです。

組織は、多様であるほど生き残る確率が高まります。それはチームも同じです。自分の扱いやすいメンバーばかりで固めるのではなく、あえて異なる立場、異なる価値観の人を中に入れてみる。そうすることで、しなやかで強いチームができあがるのです。

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