ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則の要約・感想まとめ【偉大な企業・針鼠の概念】

ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則は、前作であるビジョナリー・カンパニーの続編ではなく、逆に前編なのだと著者のジム・コリンズは述べています。ビジョナリー・カンパニーが偉大な企業が偉大たる法則を紹介していましたが、ビジョナリー・カンパニー2では、良い組織を偉大な実績を持続できる組織に飛躍させる方法について紹介されています。第五水準の偉大な経営者を目指す人の役に立つビジョナリーカンパニー2の要約と感想まとめを紹介します。


本当に偉大な企業

ほんとうに偉大な企業は大部分、始めから偉大だったのだ。そして、良い企業の大部分は現状から抜け出せない。たしかに良い企業なのだが、偉大な企業にはなれない。

偉大な企業への変化の過程を、準備とその後の突破の過程と考え、全体を三つの大きな段階に分けて考えている。規律ある人材、規律ある考え、規律ある行動の三段階である。

適切な人をバスに乗せる

偉大な企業への飛躍をもたらした経営者は、まずはじめに、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどこに向かうべきかを決めている。要するに、こう言ったのである。「このバスでどこに行くべきかは分からない。しかし、分かっていることもある。適切な人がバスに乗り、適切な人がそれぞれふさわしい席につき、不適切な人がバスから降りれば、素晴らしい場所に行く方法を決められるはずだ」

まずはじめに適切な人をバスに乗せ、不適格な人をバスから降ろし、その後にどこに行くかを決めること、これがこの章の要点である。もうひとつ、第二の要点として、偉大な企業への飛躍には、人事の決定に極端なまでの厳格さが必要なことがあげられる。

人事の決定で厳格になる3つの方法

  1. 疑問があれば採用せず、人材を探しつづける(関連する点として、成長の最大のボトルネックは何よりも、適切な人びとを採用し維持する能力である)。
  2. 人を入れ換える必要があることが分かれば、行動する(関連する点として、まず、坐っている席が悪いだけなのかを確認する)。
  3. 最高の人材は最高の機会の追求にあて、最大の問題の解決にはあてない(関連する点として、問題の部門を売却する決定をくだしたとき、優秀な人たちを一緒に売り渡してはいけない)。

困難にどう対応するか

違いをもたらすのは、困難にぶつかるかぶつからないかではない。人生のなかでかならずぶつかる困難にどう対応するかだ。厳しい状況にぶつかったとき、最後にはかならず勝つという確信を失ってはならず、同時に、自分がおかれている現実のなかでもっとも厳しい事実を直視しなければならない。

針鼠の概念

針鼠型の人たちは愚かなのではない。本質を深く見抜く力をもっているために、複雑さの奥にある基本的なパターンを把握できるのだ。針鼠型の人たちは本質を見抜き、本質以外の点を無視する。比較対象企業を率いた経営者は狐型が多く、針鼠の概念にみられる単純明快さの利点を獲得できず、力が分散し、焦点がぼけ、方針に一貫性がなくなっている。

針鼠の概念は、最高を目指すことではないし、最高になるための戦略でもないし、最高になる意思でもないし、最高になるための計画でもない。最高になれる部分はどこかについての理解なのだ。この違いは、まさに決定的である。どの企業も、何らかの点で最高になりたいと願っている。しかし、自負心で目を曇らせることなく現実を厳しく見つめ、世界一になれる部分がどこなのか、そして、同様に重要な点として、世界一になれない部分がどこなのかをほんとうに理解している企業は少ない。そしてこの点こそが、飛躍を達成した企業と比較対象企業とを隔てる主な違いのひとつなのだ。

カギとなる分母を見つけよ

飛躍した企業はいずれも、この深い理解をたったひとつの「財務指標の分母」という形にまとめているのだ。この点はこう考えると分かりやすい。自社で「X当たり利益」(非営利事業なら「X当たり年間予算」)をたったひとつ、基準になる財務指標として採用し、これを長期にわたって一貫して上昇させていくことを目標にすると想定した場合、Xに何を選べば、自社の経済的原動力にもっとも大きく、もっとも持続的な影響を与えられるだろうかと。このように問いを立てれば、組織の経済的な現実がどのような仕組みになっているのか、深く理解できることをわれわれは学んできた。

飛躍した企業はいずれも、カギになる分母をひとつ見つけ出している。そして比較対象企業はほとんどの場合、これを見つけ出していない。

規律ある行動をとる文化を築き上げるには

  1. 枠組みの中での自由と規律という考えを中心にした文化を築く。
  2. この文化にふさわしい人材として、みずから規律を守る人たち、自分の責任を果たすためには最大限の努力を惜しまない人たちを集める。「コッテージ・チーズを洗う」人たちだ。
  3. 規律の文化を規律をもたらす暴君と混同してはならない。
  4. 針鼠の概念を徹底して守り、三つの円が重なる部分を熱狂的ともいえるほど重視する。これと変わらぬほど重要な点として、「止めるべき点のリスト」を作り、三つの円が重なる部分から外れるものを組織的に取り除いていく。

新しい技術への対応

飛躍した企業は技術の流行に乗るのを避けているが、慎重に選んだ分野の技術の利用で先駆者になっている。

一気に突破する飛躍への道のり

最終的な結果がどれほど劇的であろうと、飛躍は一気に達成されるものではない。たったひとつの決定的な動き、大がかりな取り組み、起死回生の技術革新、めったにない幸運、痛みを伴う大改革があったわけではない。飛躍の道は小さな努力の積み重ねによって開かれていく。一歩一歩、行動を積み重ね、決定を積み重ね、弾み車の回転を積み重ねていき、それらの積み重ねによって目ざましい業績が持続するようになる。しかし、マスコミの報道を読むと、まったく違った結論に達するかもしれない。マスコミが取り上げるのは、弾み車が一分間に一千回転するようになってからであることが少なくない。このため、飛躍について受ける印象がまったく歪んでしまう。一夜にして変身を遂げ、一気に突破の段階に入ったかのように思える。

偉大な企業が企業買収に成功する理由

偉大な実績に飛躍した企業で、買収の成功率が高く、大型買収ではとくに成功率が高いのはなぜなのだろうか。成功のカギは、大型買収が一般に、針鼠の概念を確立した後、弾み車の勢いが強くなった後に実施されている点にある。買収は、弾み車の勢いの促進剤として使っており、勢いの源泉にはしていない。

これに対して比較対象企業では、買収や合併によって突破の段階に一気に進もうと試みることが少なくない。凡庸な二社が合併しても、偉大な一社になることはありえない。

感想(書評)

ビジョナリー・カンパニー2は偉大な企業を作りたい経営者・起業家なら必ず読みたい経営本です。ビジョナリー・カンパニー1は偉大な企業の基本理念の作り方などが書かれていますが、2では良好(普通)な企業から偉大な企業になる方法が書かれています。2のほうが1よりも現実的にビジョナリー・カンパニーになるためのヒントが分析されています。

今回紹介した要約まとめ部分はほんの一部分ですので、絶対買うことをおすすめします(豊富な具体例を読むことで初めて理解できる内容のため)。ストックデールの逆説、グレートカンパニーから偉大な企業になる法則、第五水準のリーダーシップ(第四水準までとの違い)などビジネスマンなら知っておきたいことがたくさん紹介されています。基本理念や組織運営を作るうえでも参考になります。ビジョナリー・カンパニー1に引き続き、買って損はしないおすすめの経営本ですので、気になった人はぜひ読んでみてはいかがでしょうか?

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