音楽は見えないが浮かんでくる。「あまちゃん」の作曲家を知ると、ドラマがもっとおもしろくなる!

皆さんは、NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」をご覧でしょうか?平均視聴率20%以上を保っている超人気ドラマです。宮藤官九郎さんの脚本、ヒロインの能年玲奈ちゃん、そして、豪華すぎる出演者の皆さん、そのすべてがおもしろく、魅力的で、その人気の理由に頷けます! 

そして、忘れてはいけないこのドラマの魅力がもうひとつあります。それは、音楽です。8時になったら、チャンネルをNHKにあわせ、「タラッタッタッタッ〜 」と始まるあの曲を聴かないと、1日が始まらないという読者の方も大変多いのではないでしょうか。

今回は、「あまちゃん」の見えない魅力、音楽、その作曲家の大友良英さんについてご紹介します。これで、「あまちゃん」をさらに楽しめること間違いありません! 


地方から全国へ広がる文化

「あまちゃん」の音楽を担当されているのは、大友良英さんです。ギタリスト、ターンテーブル奏者、作曲家、映画音楽家など、音楽の世界で数多くの顔をお持ちの大友さんは、横浜市出身でらっしゃいますが、十代を福島で過ごしたことから「地元は東北」だと仰っています。

大友さんの魂は、東北に根ざされているのかもしれません。「あまちゃん」の作曲に際して、大切にしているのは「訛り」だとインタビューで答えています。「東北人は、東北弁に誇りを持てていないように思う。すべての文化が東京からやってくる。でも、たとえば、東北から東北発の音楽としてポップスが全国に流行っても良いじゃないか! 」という思いで、作曲作りをされたそうです。

結果、ドラマの決め台詞とも言うべき「じぇじぇじぇ!」は東北弁でありながら、今では多くの人が私生活でも使う流行語になっています。大友さんの曲に込めた「一方通行ではない文化の流れ方」がこのドラマを通して、具現化したと言えるのではないでしょうか? 

オープニング曲にも、東北人ののんびりと、東北独特の緩さを表現したそうです。“東北”を入れこんだあの楽曲に日本全国の視聴者が、一日の始まりを感じ、テンションを挙げて通勤通学するため、家を出ているとするならば、東北から全国へ文化が広がり、そして、人々の心にまで届いている名曲と言えるでしょう。

情景が浮かぶ音楽に感じる作曲家の優しさ

そして、「あまちゃん」の魅力には、ヒロイン・アキを囲む東北の大人達の優しさが挙げられるでしょう。宮本信子、渡辺えり、杉本哲太、美保純、でんでんらは、まるで家族のようにアキを励まし、怒り、そして、応援します。

彼らの優しさは、宮藤官九郎さんの脚本や出演者のお芝居によって見事に表現されています。しかし、忘れてはいけないのが、やはり大友さんの楽曲です。京都と福島で放送されているラジオ番組「大友良英のJAMJAMラジオ」は、番組名の通り、大友さんがDJを勤める、特殊音楽番組です。

大友さん激選の名曲が流れる音楽番組であり、DJとしての大友さんの優しさを感じられるトーク番組でもあります。音楽に寄せた思い、東北への思いが、大友さんの実にまろやかで嬉々心地の良い声を通して語られたとき、「あまちゃん」に見る優しさを感じることができるのです。

音楽は、その演奏者、作曲者の思い、メッセージだけでなく、その人のパーソナリティをも表現してしまう、という至極当たり前のことを筆者は知りました。

大友さんの優しさが込められた音楽だからこそ、目を閉じて、「あまちゃん」の楽曲を聴くだけで、ヒロインのアキちゃんや彼女を囲む大人達の笑顔や泣き顔や怒り顔が私たちの脳裏に広がるのだろうと思います。

音楽は見えません。しかしながら、さまざまな情景を浮かび上がらせてくれます。大友良英さんを知ることで、「あまちゃん」をさらに楽しめるはずです。これからは、音楽にも注目しながらドラマをご覧になってはいかがでしょうか?

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