「ヒト、モノ、カネ」で、一番使えていないのがヒト

経営資源の3大要素は「ヒト、モノ、カネ」と言われます。この3つの中でモノとカネを使いこなすのは、さほど難しくありません。モノやカネは、予想外の動きをすることはほとんどないからです。ところが、ヒトは…。


ヒトを使いこなすあらゆる難しさ

ヒトは、1人ひとりに個性があり、画一化できません。
また、育ってきた環境が違う、勉強してきた分野も違う、日によって体調も変わりますし、成長するにつれて考え方もスキルも変化します。
そして、誰と一緒に仕事をするかによって、出せる力まで大きく変わるのです。

潜在能力をうまく使うには?

では、人事、そして会社がヒトの潜在能力をうまく使うためにはどうしたらよいのでしょうか。
人は、自分に合う仕事を任され、がんばれば達成できる目標がある、そして、助け合い、お互いに高めていける人間関係に囲まれているとき、やる気に満ちあふれます。
どんなに仕事が忙しいときでも、尊敬できる上司と息の合った仲間と仕事をしているときは、あまりストレスを感じません。

モチベーションで生産性が大きく変わる

モチベーションが高いときは、たとえ失敗してもそれを糧にし、より良い結果を目指すことができるのです。反対に、苦手な仕事や難しすぎる目標を与えられ、気が合わないチームにいるときは、生産性が極端に下がります。
組織の中には、やる気にあふれ元気に活躍している人と、モチベーションがダウンして、実力を発揮できないでいる人が混在しています。
人事部が直面している課題の約5割は、「従業員のモチベーション向上」だという、最近の調査結果もあります。

人事が人の組み合わせをマネジメントできる時代

ただ、これまでは、「仕事が合わない」「まわりの人とうまくやっていけない」というと、本人の努力が足りないと思われがちでした。
与えられた仕事や環境の下で結果を出すのが実力であり、仕事への適性やチーム内の相性は、誰にもコントロールできないと考えられていたからです。
しかし現在では、理論や技術の進歩により、人事が人の組み合わせをマネジメントできる時代になっています。それぞれの適性に合った仕事に配置し、生産性が高くなるチームを科学的に組み合わせることができるのです。

生産年齢人口が909万人も減少する

厚生労働省の予測によると、日本の生産年齢人口は、2015年から2030年までの15年間で、909万人も減少します。
これは、神奈川県がまるごとなくなるのと同じレベルの人数です。
そうしたことを考えると、ヒトをうまく使いこなすのが「できるか、できないか」議論する時代は、もう終わりました。
これからは、「やるか、やらないか」の時代なのです。
やらない会社は、人財を活用し、競争優位を目指す動きに、どんどん乗り遅れていくのです。

【まとめ】

・ヒトは、1人ひとりに個性があり、画一化できない上に、、誰と一緒に仕事をするかによって、出せる力まで大きく変わる。
・モチベーションが高いとヒトの生産性は高まり、失敗も糧にして、より良い結果を目指すことができる。
・理論や科学の進歩で、適性に合った仕事に配置し、生産性が高くなるチームを科学的に組み合わせることが可能になった。
・生産年齢人口が劇的に減っていく中、いかに人財を活用するかが競争優位を決定づける重大ミッションなのです。

★ 参考図書『稼ぐ人財のつくり方 生産性を2倍にする「攻めの人事」』山極 毅 著
日本経済新聞出版社

    
コメント