日本のホワイトカラーの生産効率が悪すぎる

「うちの会社は本当に会議が多いよな」「報告や事務処理に時間がかかり過ぎだよ!」……など、ビジネス人の多くはムダな時間が多いのを不満に思っています。こうした現場感覚は、日本全体の生産性にも反映されてしまっています。


日本の生産性は世界平均以下

2014年の日本の時間当たり生産性は、OECD(経済協力開発機構)加盟34か国中の21位、先進7か国中では最下位で、日本の生産性は平均以下でした。
日本生産性本部の資料(日本の生産性の動向2014年版)によると、日本の労働生産性は1994年以降ずっと21位以下で、1970年以降の最高位は1990年の16位です。

問題はホワイトカラーの生産効率にあった

しかし一方で、2012年のデータによると、製造業の労働生産性国別比較で日本はなんと、アメリカ、イギリスに次ぐ3位の生産性を誇ります。
工場のラインの生産性は高いのに、オフィスワーカーを中心としたホワイトカラーの生産性が相対的に低いと言われるのは、事実なのです。

生産性は人財の量と質で決まる

生産性を決める要素は、仕事の量と難しさ、そして仕事を処理する人財の量と質で決まります。
会社が達成したい目標のレベルによって、仕事の量と難しさが決まるので、ここではそれが決まったものとして考えてみます。
ここで、人事部ができることは、優秀な人財を、必要十分な数だけ確保することにありますが、もし、このどちらかが欠けていたらどうなるでしょう。

スキル不足の人海戦略は正しいのか?

例として「クッキーの箱をきれいに包装する」という仕事を考えてみます。
この仕事をうまくこなすためには、まずアルバイトをたくさん雇うという方法があります。
ところが彼らには、包装作業の経験がありません。
人数は充分だがスキルが不足している場合は、1人当たりの生産性が悪くなります。

少数のプロを雇うと生産性が最高になる

反対に、包装のプロを少数雇うとどうなるでしょうか。
今度は、スキル面は充分でも人数が少ないので、チームとして時間当たりの生産性は高くなりません。
一番バランスが取れた状態は、スキルを持った経験者を、必要な数だけ採用できたときです。
このとき時間当たり生産性と、1人当たり生産性の両方が最高の状態になります。

残業時間や採用の増加では解決できなくなる

これまで日本では「仕事が終わらなければ残業すればよい」「人が足りなければもっと採用すればよい」という考え方が主流でした。
しかし今後は、生産人口の減少をカバーしようとすれば、個人の労働時間に制約が生じ、フルタイムで働ける人を採用しようとしたら、そういう候補者自体がほとんどいないというジレンマ状態に陥ります。
この状況を打開して、ビジネスの競争に勝ち残る組織をつくるためには、タレントマネジメントとリソースマネジメントを同時に考える、SWP戦略が必要になるのです。

【まとめ】

・日本の時間当たり生産性は世界平均以下。ただし、製造業の労働生産性国別比較では世界3位。
・つまり、工場のラインの生産性は高いのに、オフィスワーカーを中心としたホワイトカラーの生産性が相対的に低い。
・スキルを持った経験者を必要な数だけ採用できたとき、時間当たりと、1人当たり生産性が最高の状態になる。
・ビジネスの競争に勝ち残る組織をつくるためには、タレントマネジメントとリソースマネジメントを同時に考える、SWP戦略が必要になるのです。あなたの会社はいかがですか?

★ 参考図書『稼ぐ人財のつくり方 生産性を2倍にする「攻めの人事」』山極 毅 著
日本経済新聞出版社

    
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