社員活用はドラえもんの5大キャラクターに学べ

ポジティブな反応とネガティブな反応、そのどちらも人の個性を表すものとして考えることができます。SWP戦略のスペシャリストが、ドラえもんのキャラクター診断に込めた「攻め」の人事の重要性とは?

単一民族でも多様な個性がある

「社員活用はドラえもんの5大キャラクターに学べ」。 このタイトルにした理由は、2つあります。 1つは、同じ言語を話す単一民族であっても、『ドラえもん』の5人のキャラクターのような多様な個性があるということを主張したかったからです。 『ドラえもん』が、これだけ長い間、多くの人に受け入れられている理由は、毎回の話の展開は似通っていても、5人の持つキャラクターが織り成すストーリーに共感できるからではないかと思います。

ヒトの個性を人財マネジメントの対象に

これまでの人事制度は、スキル、経験、資格、成績などを重視してきましたが、ヒトの個性を人財マネジメントの対象にしている会社は、ほとんどありません。 しかし、得意技をベースにして、そのヒトの個性を一番発揮できる「職務」のスキルを磨いていくことが、個人にとっても組織にとっても生産性を上げるための最高のアプローチになるはずなのです。

組織で多様性を維持することが極めて難しい

もう1つの理由は、実際の組織で多様性を維持することが極めて難しいことをわかってもらいたかったからです。 多様性の維持は、かなり意図的にやらないと、どんどん組織が均質化していきます。 均質化した組織では、議論が交わされなくなります。 すると、長期的な生産性が低下していくことになるのです。

組織の均質化は、社員の入口と出口で加速する

組織の均質化は、社員の入口である「採用」と、出口である「離職」で加速します。 まず入口である採用時には、面接官は自分と似たタイプの人を入社させる傾向にあります。 なぜなら、人は同じタイプの人間に高評価を与えるからです。 そのままでは、こうした組織は、5年から10年もすれば、同じタイプのヒトばかり集まってしまいます。

人事部はダイバーシティのコントロールを開始するべき

また、出口である離職で起こるのは、少数派の離脱現象です。 社風に対し少数派となる人達は、組織でなかなか自分の存在を認めてもらえません。 そんな組織風土を気に病み、転職してしまうのです。 こうして入口と出口で均質化が進むので、組織は加速度的に均質化に向かいます。 ですから、人事部は、採用数や成績の良さだけを追い求めるのではなく、利益を生む組織の源泉であるダイバーシティのコントロールを開始するべきなのです。

自分の得意技を使うとき、個性は活かされる

また、FFS理論によると、ヒトは、自分の長所を消されたとき、発揮できないときにストレスが高まります。これは裏を返せば、自分の長所が発揮できているときは、自らが生まれ持った得意技を使っているときですから、仕事がどれほどきつくても心理的に追い込まれません。 誰でも、「つらかったけど、あのときが一番楽しかったし、すごく成長した」という時期があるはずです。 それは、知らず知らずのうちに、自分の個性に合った環境に置かれていたときにほかなりません。

競争優位性をつかむダイバーシティ

もし、人事部がこういう状況を意図的につくり出すことができ、社員の個性に合わせた教育プログラムをつくることができたら、かなりの競争優位性を持つことになるでしょう。 多様な個性を尊重することが、どれだけの利益を会社にもたらす可能性があるのか、経営者と人事はもう一度検討するべき時期にきているのです。

【まとめ】

・ヒトには多様な個性があるが、実際の組織では、多様性を維持することが極めて難しい。 ・得意技をベースに、ヒトの個性を一番発揮できる「職務」のスキルを磨いていくことが、個人にとっても組織にとっても生産性を上げるための最高のアプローチになる。 ・多様な個性を尊重することが、どれだけの利益を会社にもたらす可能性があるのか、経営者と人事はもう一度検討するべき。 ・書籍内では、ドラえもんの5大キャラクターでわかりやすく解説された、貴重なFFS理論が学べます。人財活用に大いに役立つのではないでしょうか。 ★ 参考図書『稼ぐ人財のつくり方 生産性を2倍にする「攻めの人事」』山極 毅 著 日本経済新聞出版社